第3章 名刺管理と活用
名刺はデジアナで管理しよう
名刺管理には、デジタル管理とアナログ管理の2つの方法があります。結論から言えば、どちらの方法にも一長一短がありますので、それぞれのメリットを最大限活かして営業活動を行えば良いのです。
この章では、デジタル、アナログ、それぞれの方法のメリット・デメリットや具体例を解説しながら、デジタルとアナログを併用する名刺管理の手順をお伝えします。
オフィスに戻ったらすぐに整理する
名刺管理の鉄則は、オフィスに戻ったら迅速に整理し、お客様にフォローアップの準備をすることです。その日に交換した名刺を商談ごとに部署や役職順に並べてコピーを取ります。取った名刺のコピーに商談した日の「日付」「時間」などの訪問した日の情報、「担当者」「決裁者」「同行者」など商談情報を手書きで書き込みます。他にも自社にとってファンなのか、アンチなのかといった印象も書いておきます。
こうした情報は、商談から時間が経つと忘れてしまうので、オフィスに戻ったらすぐにやることです。手書きの情報を書き込んだ名刺のコピーは、デジタル化してパソコンの顧客フォルダに保管しましょう。お客様が部署異動や転勤などで情報が変わった場合も同じようにコピーして情報を書込み顧客フォルダに追加していきます。デジタル化した名刺のコピーの使い方は、次章の活用方法で説明します。
ローテクで面倒な管理方法に感じますが、手書きのメモは記憶に定着しやすいことがプリンストン大学の研究でも判っています。
名刺はデータ化して活用する
商談情報を名刺に書き込んで顧客フォルダに追加したら、次は名刺のデジタル化を行います。名刺は、スマホのアプリでデータ化するのが主流です。アプリで名刺を撮影することで自動的にデータ化するサービスがたくさん出ています。名刺データの活用を前提とするなら、簡単にデータをダウンロード出来るものを選んでください。大量に名刺がある場合は、パソコンで一気にスキャンしてデータ化するサービスもあります。
デジタル化のメリット
デジタル化のメリットは、一覧表示したり、検索したりと自由自在にデータとして活用ができることです。営業管理ツールやスマホの電話帳とも連携するので、名刺フォルダーに入れて持ち歩く必要は全くありません。
スマホのアプリで大量の名刺を持ち歩けるようになるまでは、名刺ファイルに入れるか、コピーしたものを持ち歩くしか方法がありませんでした。こうしたアナログな管理方法では、個人情報の漏洩問題が起きます。私も、商談コーナーに置き忘れられている名刺ファイルを何度か会社の受付に届けたことがありました。
デジタル化のデメリット
デジタル管理のデメリットは、データ化に手間がかかることです。名刺管理アプリで一枚一枚撮影することでデータ化をしてくますが、名刺を溜め込んでしまうとデータ化にものすごく時間がかかります。
2つ目のデメリットは、お客様の顔や印象が記憶に残りにくいことです。人間の記憶は、商談の際に話した内容、お客様の顔や服装、無署名や名前といった内容が紐づいているので、一部が欠けてしまうと印象が薄くなってしまいます。
名刺の保管方法
溜まる名刺を保管する
デジタル化が済んだ名刺の保管方法はかなり難題です。いろいろ試しましたが、どれも納得がいかず結局たどり着いたのは、A4サイズで1ページに10枚入る名刺フォルダで管理する方法でした。
私の場合は、会社名を五十音順に並べて、1ページに1部署、役職順というルールで並べていました。簡単な組織図のようなイメージです。多少隙間が空いたり、ページをまたがることもありますが、相手の顔や印象が思い出しやすく記憶に残るのでベストな方法でした。
もちろん、デメリットもあります。何年も営業を続けていると名刺が増えてかさばってしまうことです。働き方が変わりフリーアドレスで仕事をするようになると名刺ファイルの置き場に困ることになります。使用頻度の低い名刺は、名刺保存ボックスなどで保存しましょう。
名刺はいつ捨てる?
お客様の名刺ですが、捨てるタイミングが難しいものです。私の基本的な考え方は、部署移動や転籍、昇進、転職、退職などで情報が変わったら古い名刺を処分するルールにしています。この時、注意しなければならないのは、履歴を残すことです。新しい名刺をいただいたら、コピーを取り、元の名刺の情報などを書き込み、顧客フォルダに追加してから名刺を保管します。元の名刺の情報などは、名刺管理ソフトなどでも更新しておきましょう。
名刺のコラム
名刺の保管方法には、色々な方法があります。私が名刺フォルダをススメているのは、一覧性が高いからです。お客様の上司や同僚の名刺が並んでいれば、「同じご部署の〇〇さんは、いらっしゃいますか?」と依頼することもできます。ここでは、名刺保管で数々の方法を試してきた中でも絶対に買ってはいけないものをお伝えします。
絶対に買ってはいけない名刺フォルダは、回転式名刺ホルダーです。買ってはいけない理由をいくつかあげていきましょう。
手間がかかる
名刺を一枚一枚スリーブに入れるため他の名刺ホルダーに比べても収納に手間がかかります。卓上に置くと格好が良いのですが、使い勝手はイマイチです。
一覧性が無い
50音に並べられダイヤルで回転させることで素早く目的の名刺を見つけることができるのが特徴ですが、前後の名刺までしか視認することができません。
価格が高い
名刺の収納枚数の割に価格が高いのも難点です。通販では、5千円から7千円で購入可能ですのでインテリアの一部として買う人がいるのかも知れません。機能的には、800枚までしか収納できず、それ以上の名刺を収納するためには、もう一台購入する必要があります。
個人情報の保護には向かない
この名刺フォルダは、卓上に置いて使用することが前提なので個人情報を厳密に管理するのには向いていません。大きさも引き出しにしまうことを考えると無駄に大きいと言わざるを得ません。
色々と文句を言いましたが、私も実際に使っていたことがありました。名刺の枚数が増えてもう一台を購入しようか考えた時期と個人情報の取り扱いが厳しくなってきたこともあってA4の名刺フォルダを使うようになりました。
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