#10 偽りの数字による業績評価
民間企業では成果を数字で測ると言われていて、それに倣って、行政でもEBPM(エビデンスに基づいた政策推進)という名目で、KPI(Key Performance Indicator:重要成果指標)を強く意識したマネジメントが展開されています。
しかし、誤ったKPI重視の経営や政策は誤った結果を招きます。
達成すべき目標が重要であり、本来、KPIはその目標をブレイクダウンした関係性にあるべきです。
言い換えるならば、KPIを全て達成すれば、達成すべき目標(これをKGI:Key Goal Indicator「重要目標達成指標」という言う。)がクリアーされている状況を作り出せるよう、KGIとKPIの相関関係が明確になるような設定の工夫が必要です。
残念ながら、経営や政策の現場では、KGIを曖昧にして、自らが達成しやすいKPIを設定した上で、それを業績管理の目標などに据えているので、KPIを達成したにもかかわらず、さっぱり成果が上がってない、という不思議な現象が起こります。
これは先に書いたように、KGIの達成につながらないKPIをいくら達成したところで、本人としては「やっている感」が出るけれども、組織としては目指すべき高みに向けて、「何も積み上げられてない」からです。
更に悪いことに、「KPIさえ達成すれば良い」と目先の数字達成に躍起になるのみで、目標達成に向けた深謀遠慮から遠ざかっていく、という弊害もあります。
一見科学的に見える、数字による業績評価も、合理的な数値目標を設定しないと、組織のミスリーディングにつながる危険があることを意識しながら、上手に活用したいですね。
【Chat-GPTによる「KGIとKPIの関係性」についての解説】
KGI(Key Goal Indicator)とKPI(Key Performance Indicator)は、ビジネスやプロジェクトの目標管理において重要な指標ですが、それぞれ役割が異なり、相互に関係しています。
KGIとは
KGIは「重要目標達成指標」と訳され、最終的に達成すべき目標(ゴール)を測定する指標です。会社やプロジェクト全体の成功を測る指標であり、ビジネスにおいては売上高や利益率、成長率などが該当します。KGIは最終的な成果を示す指標なので、**「どこを目指すか」**を表しています。
例:
• 年間売上高〇〇億円
• 新規顧客の獲得数〇〇件
• 利益率〇〇%
KPIとは
KPIは「重要業績評価指標」と訳され、KGIを達成するために必要なプロセスや活動を測定する指標です。KGIが最終目標であるのに対し、KPIはその目標に至るまでの具体的なアクションを数値化し、進捗をチェックするための指標です。**「どうすればその目標に達成できるか」**というプロセスを評価するための指標です。
例:
• 月間の新規顧客問い合わせ件数〇〇件
• 1顧客あたりの平均購入額〇〇円
• 顧客満足度〇〇%
KGIとKPIの関係性
KGIとKPIは階層的な関係にあります。KGIが「ゴール」だとすれば、KPIはそのゴールに到達するための「道筋」として設定されます。KPIを管理し、着実に達成することで、最終的にKGIが達成されるように設計されています。たとえば、「年間売上高〇〇億円」というKGIを達成するためには、「月間売上高〇〇万円」「問い合わせ件数の増加」などのKPIを追うことで、その目標達成に近づくことができます。
まとめ
• KGI: 企業やプロジェクトが最終的に達成すべき「成果」の指標。
• KPI: その成果を実現するために必要な「プロセスや活動」の指標。
• 関係性: KPIを達成することで、最終的なKGIの達成に導かれる。
KGIは全体の目標設定、KPIは具体的なアクションに関する進捗管理として活用されるため、KGIとKPIを両方設定し管理することが、戦略的な目標達成にとって重要です。
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