見出し画像

【留学日記】とにかく明るいイタリア人シリーズ②ミラノの貴公子ファブリツィオ

ミラノの貴公子

頭も良くて、顔をかっこよくてお金持ち
そんな人って本当にいるんですね。

イタリアという国は南と北でだいぶキャラが違います。

前回ご紹介したコジモくんはめっちゃ南の人。
そして、今回紹介するファブリくん
めっちゃ北のキャラが強い人です。

両方ラテンのノリで楽しいんですが
コジモくんが下町から出てきた怪物的な人だとすれば、

ファブリくんかなりいいとこの坊っちゃん
言うなれば貴公子、王子様

人生を優雅に謳歌するタイプです。


キャラつよの貴公子

そんな彼の地元ミラノに遊びに行ったときのこと。

「じゃあ、ちょっと遊びに行こう」って言いながら
すごい豪華なクルマに載せてくれました。

「これセカンドカーだから、たったの△◯✗万円なんだよね〜」
(って本命はいくらなの…)

そんな調子で話しながら
F1のような運転で
かっ飛ばして連れてくれていったのは
明らかに敷居の高そうなレストラン。

着くと、奥からオーナー的な人が現れてハグ。

その人の耳元でゴニョゴニョささやくと、
明らかに他の先に来た客の順番を飛ばして
それはまあ豪勢な料理の数々が運ばれてきました。

食べきれないほどの料理に圧倒され、
「ちょっと甘いものがほしいな〜」
と言って、30分ぐらいかけてドライブ。

そこはミケランジェロがデザインした
不思議な幾何学模様を持つ
広場があるこじんまりした街。

そこでお酒のおちょこぐらいの、
それは小さなホットチョコを飲みましたが、
これが超絶うまい。

映画のワンシーンのように目を細めながら
「このデザインの街でこれを飲むのがいいんだ」
スカしたことをおっしゃっていました。


本当にチョコだけ飲んですぐに出発。

クルマの中から
運転しながら電話して何やらブックしてくれてます。

「面白いところに寄っていこう」と言って
連れて行ってくれたのがテレビ局のスタジオ

「友達が司会をやっていてね」って
収録を見せてくれました。

結構有名な芸能人が集まる人気番組だったみたいです。


そのあと、
「せっかくミラノにいるんだからサッカー見ようか!」と言って

チャンピオンズリーグの準々決勝(マンU VS インテル)に。

裏技を使ってチケットを購入し観戦!

と、すごい一日を過ごしました。
王様のような暮らしを垣間見せてくれました。


その後も、
彼から連絡が来る時は、

「スイスのスキー場の山頂にある別荘に
一緒に来て下まで降りてみないか?」

とか

「結婚式挙げたよ」と
来た写真を見ると
リアルなお城を貸し切って式をあげていたり。

とにかくセレブな生活、
セレブな人生を送っている彼は、
ただのお金持ちというだけではなくて

見た目もとてもカッコよく、
人格も素晴らしく、
彼の友達に会うたびに
彼のことを絶賛しながら紹介してくれたりしました。

この世の楽しみをすべて詰め込んだような
ファブリくんです。


貴公子との会話

そんな彼は私のことを親友と呼んでくれて、
兄弟のように接してくれ、色んな話をしました。

彼が私の語ってくれた数多くの言葉
(イタリア人は信じられないくらいおしゃべり)の中で
とても印象に残っている言葉があります。

夜遅くまで対話していたときのことですが、
お互いに将来をどうするかという話をしている中で

「俺はそんなにお金や名誉や地位には興味はないんだ。
そんなのつまんない。

世の中には偽装されたものが多い。
本物に出会うとそういうフェイクは全部吹っ飛んでいく。

だから、俺はとにかく本物に出会う人生を生きていきたい。
絶対に本物を目指すまで妥協するな。

見せかけの音楽、
見せかけの絵画、
みせかけの恋愛に騙されるな。

本物に出会うことが人生の幸せなんだ。」

ファブリくんの名言

と熱く語ってくれました。

実は、彼はとても人生に迷っていたそうです。

何をしたらいいのか。
どうしたらハッピーになれるのか。
どういう恋をすればいいのか。

探したけれど、わからない。
でも、絶対に見つけようと思う。
と話してくれました。

だから、何でもとことん価値があるものにこだわる。
絶対に妥協しない、と。

そういう熱い信念を語ってくれました。


ファブリくんのいま


そんな彼は現在、
音楽業界でイタリアのメジャーな賞を受賞していたりする
有名なコンポーサーになっています。

彼がピアノを始めたのは18歳から。
しかも独学です。

やはり、目の前の虚飾に騙されることなく、
真の価値あるものを求めてとことん突き詰めていくこと。
遊びも突き詰めてマエストロになれば
こんなに大成するんだ、と。

自分の心の声に純粋に
妥協せず本物を求めて生きる姿勢。
大事ですね!

学びの多い北イタリアの貴公子、
ファブリくんのお話でした。

いいなと思ったら応援しよう!