【留学日記】とにかく明るいイタリア人シリーズ①ナポリの英雄コジモくんの話
ナポリの英雄
イタリアといえば何を思い浮かべるでしょうか?
私はパスタとピザとサッカーぐらいでしょうか。
が、私が19歳でイタリアに一人旅に行ったとき、
片手に握りしめたガイドブック(地球の歩き方)には
「アモーレ、マンジャーレ、カンターレの国」
って書いていました。
「愛そう、食べよう、歌おう」という意味です。
そう、とにかく明るく楽しく食べや歌えやの国。
それがイタリアなんです。
人生の意味、将来の夢…
そんな深刻なことを探し求めていた私は
一切の悩みもなく、一切考えることなく
人生を生きるオトコたちに出会いました。
イタリアの男たち、じわっと紹介していきたいと思います。
ナポリの男
まずは、ナポリから来たオトコ
コジモ=マンツィオーネくん(当時19)
ドレッドヘアにスーパーマリオそっくりの風貌
そして、いつもダルダルの長ズボンとカーキのセーター
出会ったのは初夏でしたがずっとこのスタイルでした。
異様な出で立ちでしたが、
なぜかとても仲良くなり一緒に行動するようになりました。
彼は、ナポリの方言で「同郷の友」
という意味の「パエサーノ!!」
という言葉をとにかく連呼します。
いろんな人種の、いろんな性別の、いろんな人たち
どんな人でも彼にとっては「パエサーノ」なんです。
彼と過ごしたのは、たった2週間ぐらいでしたが、
どこに行っても、誰にでも話しかけます。
公園、地下鉄、パブ、クラブ。
そう、どこに行っても誰にでも。
そして、
「パエサーノ!!」
と言ってハイタッチするんです。
彼とは同じ教室に通っていたのですが、
その学校のある地下鉄の駅から学校まで。
2週間の間に、通る人ほぼ全員と友だちになっていました。
パエサーノ!!
ってみんな彼のことを呼んでいるんです。
2週間でそのエリアをほぼ制圧してしまいました。
そして、お店に入っても、
彼のテーブルにはいろんな人が寄ってきます。
二人でお店にいっても、いつも最低5人。
多いときは20人ぐらいに膨れ上がっているんです。
嘘だろ!!
って思いましたが、みんな本当に楽しそうに彼にちょっかいをかけたり
やり取りを楽しんでいました。
なんで見ず知らずの人にパエサーノって言うんだ??
そんなナポリの英雄コジモくん。
ある時、不思議で聞いてみました。
「なんでそんなに見ず知らずの人にパエサーノって言うんだ!?」
って聞いてみたんです。
そうすると、彼は
へ?Whyってなに?
と不思議そうな顔
「Whyってどういう意味だったっけ?」
って、まじで言うんです。
「えーっとポルケのことだよ」ってイタリア語で言ってみました。
すると、
「あー。
だってパエサーノなんだもん!!!」
と返してくれました。
彼は誰に対しても自分の地元の仲間だと
心から思っているんだな、
と妙に合点がいきました。
コジモくん、今はどこで何をしているのだろう。
君に教えてもらったパエサーノという言葉
ちょっと使ってみようかな。
どんな人も地元の仲間、兄弟だ。
とっても素敵な距離感で生きていた
私にとってのあこがれの英雄コジモくんの話でした。