フェミニズムを前面に押し出しているわけではなく、先日鑑賞した王立オペラ座のバレエ演目の正式名が、「ロメオとジュリエット」ではなく、「ジュリエットとロメオ」であったのである (Julia och Romeo)。
すなわち女性の名前、ジュリエットが最初に紹介されている。
男女平等を謳う国だからであろうか。
アート一般に関して造詣の浅い私でもバレエ、オペラ等にはいそいそと出掛けて行く。
この晩が千秋楽であったことは閉幕時まで知らなかったが、最後に重大発表があった。さらに、この戯曲に関する解釈がかなり画期的であったこともあり、非常に印象に残る演目であった。
主役の二人、左からロメオ、ジュリエット。登場人物は皆裸足だったので、フェッテ回転等は難易度が高そうである。主な出演者はダブルキャストであったが、上演日によっては中国人ダンサーがジュリエットを演じた日もあったようである。ダンサーの多くは外国名を持っていた
規模的にはヨーロッパ数か国の王立オペラ劇場を下回っているかもしれないが、上演中、舞台下にて生のオーケストラが演奏を続けていたことは豪華に感じられた
ちなみに、私にとって一番印象に残ったダンサーは左のヴェローナ太守。キャピュレット家とモンタギュー家の憎み合いから失われてゆく若い命を嘆く役柄である。嘆きの表現方法は、壁の取っ手に掴まって、後方に片足を何度も振り上げる、というもの。この舞台ではいずれのダンサーにも台詞はないが、ダンスによる感情表現は明解であった
ロビーから会場に上る階段
嬉しいことに日本人ダンサー発見(左から二番目)。ロメオの友人のベンヴォーリオを演じて(踊って)いらした。ブクブクのジャケットを着たベンヴォーリオの時代が訪れることは、シェイクスピアには想像も出来なかったであろう
VIP待合室であろうか、不思議な空間
ロメオの親友達、ベンヴォーリオとマーキュシオ
1773年から存続する王立オペラ座、時代を感じさせる喫茶室
千秋楽のこの日、マーキュシオを演じていたスウェーデン人ダンサーが引退することが発表された。年齢は存じ上げないが、それほど年配には見えない。25年間、踊り続けて来たそうである。スクリーンには彼の代表作が次々と映し出されていた
会場の照明が消え、彼の最後の舞台が始まろうとしていたところ。最後の舞台にて、殺害されるマーキュシオの役、どのような心情で演じていらしたのか。もう一度最初から鑑賞したい舞台であった
ご訪問有難う御座いました。
皆様、ゴールデンウイークは何処かにお出掛けされたのでしょうか。どこも混雑していて大変だったようですね。
バレエは上演中は撮影禁止だったのですが、もしご興味があれば、下記リンクの一番下にて上演中の写真が数枚紹介されています。
王立オペラ座、ジュリエットとロメオ案内