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『ヌーベルバーグ以後』
だいぶ古い本だけど、佐藤忠男が『ヌーベルバーグ以後』という本を著していた。
佐藤忠男、中公新書、1971年(昭和46年)12月20日初版。
私が購入してたのは、 昭和49(1972)年7月20日の三版の本だった。約50年も前。!! 買ったのは学校をでてから(1976年以後)だったと思うが。 ?
佐藤忠男の、自伝的、論文の書き方的な本(題名忘れた)によれば、確か、彼の映画評論の出発点は、日本映画は泣くシーンが多すぎて、なんで?といったものだったと思うが、 その後の彼の映画評論活動の旺盛さは、驚嘆してしまう。
論文の書き方を学んだ人物に鶴見俊輔をあげていた。
『以後』とある、からといって、以後だけじゃなくて、ヌーベルウ゛ァーグのことを書いているし、何よりもフランスのことだけじゃないとこがまたすごくて、 日本はもちろん、アメリカ合州国のニューシネマのこととか、さらにはブラジルやアフリカなどの映画についても書いている。
ヌーベルウ゛ァーグ以後、つまり、ヌーベルウ゛ァーグ及びあの頃の時代、以後、映画はどう変わったか、といったことで、ひいてはヌーベルウ゛ァーグの意義を照らすわけ。
ひとつひっかかったのは、4章で『性的な世界へ』があったこと。(後で、各章書いときます)
ここで、今村昌平、増村保造や若松孝二とかが出てくるんだけど・・?
序章『状況の変化』で、アジアや東欧諸国などの映画に触れ、1960年代の映画製作状況の変化をあげて、
1章『ヌーベルウ゛ァーグ』
フランスと日本。 ここで、まずフランスのヌーベルウ゛ァーグの若者たちをあげてから、日本では羽仁進の映画(『教室の子供たち』1955年や『不良少年』1961年)に触れてから、大島渚について書く。
2章『方法の模索』で、モンタージュではなくて、カメラの凝視による長回しシーンの意味を書き、
3章『映画は自由をめざす』で、
「映画芸術の発展は映画をつくる者たちの思想や方法の発展であると同時に、カメラによって写しとられる人々の思想や表現方法の発展でもあり。そのことを示すのは記録映画の分野」として、小川伸介の初期の映画(『青年の海』66と、高崎経済大学の学生たちのストライキを記録した『圧殺の森』67)をあげて、
そうして4章『性的な世界へ』となる。
5章『異化効果と論理の映画』。
なんといってもゴダール、の『東風』や『中国女』。
そして6章『想像力と情念の映画』で吉田貴重の映画。
7章『アメリカ映画の変貌』
8章『第三世界の映画のあけぼの』。ブラジルはグラウベル・ローシャ。他、キューバ、セネガル、アルジェリア、などの映画を紹介し、
9章『ヨーロッパの他の国々』。ポーランド、ハンガリー、西ドイツ(当時)。
結び『映画は甦える』。
ん~~~・・!4章。
今村昌平や増村保造をあげて、若松孝二のことにふれる、それが『ヌーベルウ゛ァーグ以後』のこと、という観点からすると、いいのだろうけど。(・・?)
佐藤忠男。
1930年10/06~2022/03/17
新潟市出身。
映画評論家。日本映画大学学長。