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フランス映画。『チャオパンタン』

12月28日は映画の誕生日。
1895年12月28日、パリ9区、キャプシーヌ通り(オペラ座の南)14番地のグラン・カフェの下にある「インディアン・ルーム」で、リュミエール兄弟によって一般公開された、シネマトグラフ、それが、映画の誕生とされている。

そして、パリ9区の北に18区。

モンマルトルの丘がある所。
昔、パリに一度だけ行ったことがある。ムーランルージュのある辺りは、なんとなく記憶にある。
セーヌ川右岸(下流にむかって右。)、、クリシー通り北側のパリ18区、ピガール広場界隈は、まあ、歌舞伎町みたいな猥雑な場所、という印象。ピガール広場辺りには、呼び込みのあんちゃんたちやら夜の女性たちがたむろしている。 ムーランルージュはそんな所にある。

映画『チャオパンタン』の舞台は、そんなパリ、18区。

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TCHAO  PANTAN (あばよ、操り人形)

1983年、92分、 配給・ユーロスペース

監督、脚本、クロード・ベリ

美術、アレクサンドル・トローネル

出演、コリュシュ(ランベール)/  リシャール・アンコニナ(ベンスサン)/アニェス・ソラル(ローラ)  /     フィリップ・レオタール(刑事)/

【パリの夜の雰囲気、そして口数少ないコリュシュと、傷つきやすいユダヤ・アラブ混血の孤児を演じたリシャール・アンコニナの演技が、強い印象を残す本作は、1984年度セザール賞で三部門を受賞した、クロード・ベリ版〈フィルム・ノワール〉】

【あらすじ】
ランベールはガソリンスタンドの夜間給油係。孤独でアル中のこの男は40才くらいにみえるが、彼がこれまでどういう人生をおくってきたかは、誰も知らない。

ある夜、彼はベンスサンという身寄りのない青年と知り合う。  ベンスサンはユダヤ・アラブの混血児で、麻薬の密売人だった。   ベンスサンは毎晩ランベールのとこに話にくるようになる。

ランベールも、親子のような親しみを感じるようになるが、ベンスサンはランベールのみてる前でオートバイに乗った二人づれの男に殺されてしまう。  ランベールは彼らに復讐を決意する。

それまで、素性の知れなかったランベールの“秘密”がしだいに明らかになっていく……

とにかく、やるせないというかせつない感じの印象。

シャンゼリゼやカルチェラタンやエッフェル塔やらのパリではない、夜のパリ18区域が舞台。

そして、何よりも特筆しておきたいのは、美術スタッフに、アレクサンドル・トローネルがいることだ。

『北ホテル』1938.(マルセル・カルネ)『天井桟敷の人々』'43(M・カルネ)『昼下がりの情事』'56(ビリー・ワイルダー)『アパートの鍵貸します』'60(B・ワイルダー)『あなただけ今晩わ』'63(B・ワイルダー)そして『サブウェイ』'84(リュック・ベッソン)も!

などなど。

1903年、ブダペスト生まれというから、'83年の本作当時80歳! 翌年に『サブウェイ』

たいしたもんである。

ちなみに。

1988年、【追悼リノ・ウ゛ァンチュラ】と銘打ち「フィルム・ノワール映画祭」が、当時渋谷西武のシードホールで開催されたものの資料も、てもとにあったので、一部メモしておく。

『ギャング』'66(ジャン・ピエール・メルビル)

『リスボン特急』'72(J.P.メルビル。アラン・ドロン)

『冒険者たち』'67(ロベール・アンリコ)

『勝負をつけろ』'61(ジャン・ベッケル。ジャン・ポール・ベルモンド)

『冬の猿』'62(アンリ・ウ゛ェルヌイユ。ジャン・ギャバン&A・ドロン)

『筋金を入れろ』'55(アンリ・ドコアン。ジャン・ギャバン&リノ・ウ゛ァンチュラ)

『さらぱ友よ』'68(ジャン・エルマン。A・ドロン&チャールズ・ブロンソン)

これらの中に 『チャオパンタン』も入っていた!!


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