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【映画レビュー】豪華キャストが魅せる、緊迫のサスペンスドラマ『リトル・シングス』

今回観たのは、デンゼル・ワシントン、ラミ・マレック、ジャレッド・レトという豪華キャストで話題になった『リトル・シングス』。予告を観てから、どんなサスペンスが繰り広げられるのか、非常に期待していた。

物語は、ベテラン刑事のディーク(デンゼル・ワシントン)が、過去の事件のことでロサンゼルスに戻ってくるところから始まる。そこで彼は、若手刑事のバクスター(ラミ・マレック)と出会い、連続殺人事件の捜査に協力することになる。容疑者として浮上するのは、どこか不気味な雰囲気を持つ男、スパルマ(ジャレッド・レト)。ディークの過去のトラウマと現在の事件が複雑に絡み合い、バクスターもまた、事件の深みにハマっていく。一体、何が「些細な事」なのか、最後まで謎に包まれたまま、物語は進んでいく。

見どころは、なんといっても主演3人の演技合戦だ。デンゼル・ワシントンの重厚な演技はさすがの一言。過去の影を引きずるベテラン刑事を見事に演じ切っている。ラミ・マレックは、フレディ・マーキュリーのイメージがどうしてもちらつくが、若手刑事の焦燥感や葛藤をうまく表現していたと思う。そして、ジャレッド・レトの怪演。ゾッとするような不気味さを醸し出しており、画面に登場するだけで緊張感が走る。この3人の演技だけでも、観る価値はあると言える。

特に印象的だったのは、ディークとバクスターが容疑者を追い詰めていく過程で、それぞれの過去や内面が浮き彫りになっていくところである。単なる犯人探しではなく、人間の心の闇を描いているところが、この映画の深みになっていると感じた。

ただ、正直言うと、観終わった後、何とも言えないモヤモヤ感が残った。物語の展開自体は、最後までハラハラドキドキさせてくれるが、結局、何が「些細な事」だったのか、明確に示されないまま終わってしまう。そこが、個人的には少し不満だった。

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