見出し画像

【映画レビュー】美しい風景と緊張感あふれる追跡劇が融合した一作『フレンチ・ラン』

CIAのはぐれ者捜査官とスリの天才がタッグを組んでパリで繰り広げるバディムービー。革命記念日前夜のパリで発生した爆弾テロ。ここで、ブライアーというアウトロー捜査官が、テロの容疑者としてマークされたスリの若者マイケルを捕まえた。しかし、彼が濡れ衣を着せられていることに気づいたブライアーは、マイケルのスリの腕前を利用して真犯人を探すために協力を持ちかける。こうして、二人はパリの街を駆け巡りながら真実を追い求めることになる。

この映画の見どころは、なんと言ってもブライアーとマイケルのコンビだ。イドリス・エルバが演じるブライアーは冷静でありながらも人間味があり、彼の過去の背景が物語に深みを与えている。一方、リチャード・マッデンが演じるマイケルはスリとしての才能を持ちながらもどこか憎めないキャラクター。二人の掛け合いは、時にコミカルで、時にシリアス。特に、彼らが互いに信頼を築いていく過程は心が温まる瞬間が多い。

アクションシーンも見逃せない。パリの美しい街並みを背景に、スピード感あふれる追跡劇が繰り広げられる。特にカーチェイスや屋根の上を駆け回るシーンは息を飲むほどの迫力だ。警察が敵という設定も新鮮で、緊張感が常に漂っている。観ていると、まるで自分もその場にいるかのような臨場感を味わえる。

全体的にテンポが良く、飽きることがない映画だ。特に、ブライアーとマイケルの成長が描かれている点が良かった。最初は互いに信頼していなかった二人が、次第に絆を深めていく様子は心に響くものがある。アクションだけでなく、友情や信頼の大切さも感じられる作品だった。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集