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『卒業』ダスティン・ホフマンに共感!私とベンジャミン

『卒業』、皆さんご存知でしょうか?1967年公開、ダスティン・ホフマンを一躍スターダムに押し上げた、恋愛映画の金字塔です。今観ると、その映像のスタイリッシュさにまず驚かされます。構図、色使い、音楽、どれをとってもセンスの塊。50年以上も前の作品とは思えないほど、現代の私たちにも新鮮に響くんです。

物語は、名門大学を卒業したばかりのベンジャミン(ダスティン・ホフマン)が、将来への希望を見出せないまま、ただ漠然とした不安を抱えているところから始まります。そんな彼の前に現れたのが、同級生のお母さんであるロビンソン夫人。彼女はベンジャミンを誘惑し、二人は秘密の関係を持つことに。

一見すると、ただのスキャンダラスな不倫劇にも見えるかもしれません。しかし、この映画の魅力は、単にドロドロした恋愛模様を描いているだけではないんです。ベンジャミンとロビンソン夫人の関係は、当時のアメリカ社会における価値観の崩壊や、若者の閉塞感を象徴しているように感じられます。

特に印象的なのは、ベンジャミンの表情の変化です。最初は戸惑いながらも、ロビンソン夫人に流されるままだった彼が、徐々に自分の感情に気づき、葛藤し、そして行動を起こしていく。その過程を、ダスティン・ホフマンが見事に演じきっています。彼の演技を見ていると、まるで自分自身の迷いや焦燥感と向き合っているような気持ちになるんです。

そして、物語はベンジャミンがロビンソン夫人の娘、エレインに恋をしたことで、大きく動き出します。しかし、母親との関係を知ったエレインは、ベンジャミンを拒絶。彼はエレインを追いかけ、彼女の結婚式に乗り込み、文字通り花嫁を奪い去ろうとするのです。

ラストシーンは、賛否両論ありますが、私はとても好きです。バスに乗って逃避行を続けるベンジャミンとエレイン。二人は無事に結ばれたのでしょうか?それとも、ただ現実から目を背けているだけなのでしょうか?希望と不安が入り混じった、あの表情が忘れられません。

『卒業』は、ただの恋愛映画ではなく、人生の岐路に立った若者の葛藤を描いた、普遍的な物語です。観終わった後、きっとあなたも自分の将来について、深く考えてしまうはず。ぜひ、一度観てみてください。

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