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杉村春子の凄み!映画『晩菊』、女の業を纏う美。

先日、名女優・杉村春子さんが主演を務める映画『晩菊』を鑑賞しました。1954年公開という、私が生まれる遥か昔の作品ですが、古さを全く感じさせない、むしろ現代にも通じる普遍的なテーマが描かれていて、心を揺さぶられました。

物語の舞台は東京の下町。かつては売れっ子の芸者だったお菊(杉村春子)が、過去の栄光にしがみつきながら、細々と暮らしている様子が描かれます。そんなお菊の元に、かつての馴染み客だった男たちが現れ、それぞれにお金を無心しようとします。

これがもう、人間の業がむき出しで、生々しいんです。打算や嫉妬、未練といった感情が渦巻いていて、見ていて息苦しくなるほど。特に、お菊を演じる杉村春子さんの演技が圧巻でした。プライドが高く、強気な態度を見せながらも、どこか寂しげで脆い。そんな複雑な感情を、表情や仕草だけで見事に表現されていて、釘付けになりました。

物語が進むにつれて、お菊の過去が明らかになっていきます。かつて愛した男との悲しい別れ、そして芸者としての苦労。華やかな世界に身を置いていたように見えても、彼女もまた、時代の波に翻弄され、傷つきながら生きてきたのだと知りました。

この映画で描かれているのは、過去の栄光にしがみつくことの虚しさや、老いに対する不安といった、誰しもが抱える普遍的な感情です。お菊の姿を通して、私たちは自分の人生を見つめ直すきっかけを与えられるのではないでしょうか。

ラストシーンは、ある意味衝撃的でした。お菊は、過去を捨て、新たな一歩を踏み出すことを決意します。しかし、その決意が必ずしも幸せに繋がるわけではないことを暗示させるような、どこか物悲しい終わり方でした。

『晩菊』は、決して明るい映画ではありません。人間の暗部を描き出し、観る人に重いテーマを突きつけます。しかし、それこそがこの映画の魅力であり、私たちが生きる上で大切なことを教えてくれるのではないでしょうか。ぜひ、一度ご覧になってみてください。きっと、あなたの心に深く刻まれる作品になるはずです。
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