わが子はADHDなのでは? まずはADHDについて知ろう!ADHDはジャイアン型とのび太型に分類できる
「わが子はADHDなんじゃないか?」「わが子は発達障害があるのでは?」と悩んでいる保護者がおられると思います。
そんな悩みを持っておられる保護者の方々に向けて、今日は「ADHDとは何か?」というテーマで話を書きたいと思います。
自分の子どもがADHDなのではないか?どうしたらいいのか?と悩んでおられる方がいるでしょう。どのような行動を起こしていけばいいか?を考えて行く前にADHDとは何か?を考え、整理していく必要があります。
もし、ADHDについて、詳しく知りたければ、司馬理英子(しば りえこ)さんが書かれた『新版 ADHD のび太・ジャイアン症候群』という本がおすすめです。
司馬さんが実際にADHDの自分の子どもを育てた経験を元に書かており、ドラえもんに出てくるのび太とジャイアンを例にADHDをわかりやすく理解することができます。
今日はこの本の内容に触れながら、「ADHDとは何か?」について書いていきます
新版 ADHD のび太・ジャイアン症候群 https://www.amazon.co.jp/dp/B007U5Q5PC/ref=cm_sw_r_cp_api_1A7EW48RFS765Y7FRPG5
ADHDとは?
ADHDは、「Attention-Deficit / Hyperactivity Disorder」の略称で日本語では「注意欠如・多動症」と呼ばれます。
不注意(集中力がない)、衝動的(思いつくと行動してしまう)、多動性(じっとしていられない)という3つの主な症状を持つ発達障害の一つです。
子ども1人1人性格が違うように、ADHDの中にも細かくは違った特性があります。
その特性を『新版 ADHD のび太・ジャイアン症候群』の本では、ジャイアン型とのび太型に分けて、わかりやすく説明されています。
ジャイアン型ADHD
衝動的で、学校では集中力がなく、落ち着きのない、感情の起伏の激しいADHDを持つジャイアンのようなタイプ(多動―衝動性優勢型)を『新版 ADHD のび太・ジャイアン症候群』の本では、ADHDのジャイアン型と名づけられています。
ジャイアンは、思ったようにいかないと、急に怒りだし、前後の見境もなく衝動的にのび太をやっつけてしまいます。
順番を守らず、身勝手です。「やりたいときがオレの番」だから、無理やりほかの子を押しのけて割り込むこともあります。
お使いや、めんどうな仕事はやりたがらず、のび太に押しつけてしまいます。危ない遊びが好き。エネルギーのかたまり。元気いっぱいです。まわりの子どもたちをグイグイと引っぱって、強引ですがリーダーシップを発揮します。
けんかっ早くて、弱い者いじめをすることもあります。なんでも腕力で解決しようとします。のび太が説明や言いわけをしようとしても、待ってくれません。聞く耳を持たず、すぐポカリ。
ジャイアンの衝動性は、ダムにためられていた水が、急に決壊して流れ出す激しさを持ちます。衝動が、障害物も配慮も良心も何もかも押し流してしまうようです。
自分の欲求や怒りが、すべてを凌駕してしまいます。ジャイアンはやりたいことを目ざして突き進みます。
がまんする、行動を抑制することが苦手です。野球をするときも勝負がすべてで、みんなで仲よく交代でプレーするという気はありません。人数の足りないときにはのび太にも声をかけますが、のび太はピンチでミスをし、チャンスにヒットが打てません。ジャイアンは怒りまくります。次の試合ではのび太の出番はありません。
ジャイアン型のADHDは、多動性や衝動性が目立ち、じっとしていられないし、思いつくままに行動をするタイプです。
のび太型ADHD
多動を伴わなず、おとなしく表立ってけんかなどの問題を起こさないので「問題児」という従来のADHDのイメージには合わないのですが、不注意優勢型のADHDの基準にあてはまるタイプを『新版 ADHD のび太・ジャイアン症候群』の本では、のび太型と名付けられています。
のび太は気が散りやすく、とっさのときどうすればいいかわからずうまく行動できません。そして忍耐心に乏しく、じっくりがんばれずに、はじめからだめだとあきらめてしまいます。
何か思いつくと、いても立ってもいられなくなります。宿題を忘れる。過敏で傷つきやすい。困ったことが起こると原因を冷静に考えず、すぐ他人のせいにします。授業中でも、宿題をやっているときも、あんなことができたら、もしこうだったらと、ぼんやり空想にふけっています。
けれども人の気持ちがよくわかり、やさしい心にあふれています。
のび太型のADHDは、不注意が目立ちます。
ジャイアン型とのび太型の共通点
ジャイアン型には多動(じっとしていられない)があり、のび太型には多動がないという大きな違いがありますが、実は2つのタイプには共通点が見られます。
主な共通点…
・忘れ物が多い
・宿題をしない
・授業中にまじめに聞いていない
・先生の指示に従うのが苦手
・ちょっとした刺激で気が散りやすい
・飽きっぽいという注意力の傲慢さ
・思いつくといても立ってもいられない、何が何でも やりたいという衝動性
このような傾向は、誰にでもある程度思い当たるものですが、ADHDの子どもの場合は、ほかの子どもよりずっと強くて、かつ、頻繁に見られる点が特徴的です。
まとめると…
ADHDには、大きく分けると、多動性や衝動性の目立つジャイアン型と不注意の目立つのび太型があります。また、両方が目立っている混合型もあります。ADHDに対して、できる行動を考えていくために、まずは、ADHDとは何か?からを理解し、整理をしておきましょう。というお話でした。
支援についての知識は、子育てをしている保護者の方々にとって大切なのはもちろんですが、支援を要する生徒が割合が伸びている今、教師はより支援に関する情報をアップデートしていく必要があります。
支援に関して日々悩んでおられる方が多くいることと思います。そのような方々にこの文章が少しでも役に立っていただければと願います。
今日も読んでいただきありがとうございました。
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