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【メルマガ絵本沼】vol.22:この国の家庭文庫史を紡ぐ名著『子ども文庫の100年』を読む

絵本を読み、愉しみ、考えて、ハマる、【メルマガ絵本沼】。

本年最後の【メルマガ絵本沼】ですが、前回の「vol.21:1960年の児童文学大批判『子どもと文学』を読む」が(予想外に)好評でしたので、その流れで今回も絵本ではなくその隣にあるものをテーマにしました。
スベらなければよいのですが(^^;)

ひとときお付き合い願えれば幸いです。


【お知らせ】
■本年小晦日にあのうさぎの絵本をテーマにして絵本沼ゼミを開催します。
12月30日(土)に絵本沼ゼミ「さよなら卯年企画!あのうさぎの絵本の衝撃と凄み」を開催します。残席3でございます。アーカイブ配信もありますのでご都合あわない方もご興味あればぜひご参加ください。
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■年始1/6(土)に毎年恒例の無料イベント「2023年の絵本業界をゆる~く振り返る」を開催します。
前回は定員100名満席となった当イベント。今回は絵本編集者のほそえさちよさんをお招きして対談します。いつも通りの絵本沼的な切り口をお楽しみください(^^)/
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【メルマガ絵本沼】
-この国の家庭文庫史を紡ぐ名著-『子ども文庫の100年』を読む

■「家庭文庫」って何…?
幼少時に大阪の中でも相当な僻地に住んでいた私は、家庭文庫(※1、以下「文庫」)に通った経験がまったく無い。
いや、ひょっとしたら近所にあったのかもしれんけど。

新卒で入った書店を27歳で退職して私はしばらく働く気が無くなって、JRACの諸岡さん(※2)らと二年ほど絵本関連のボランティア活動をしていた。その中でいくつかの文庫(※3)を訪問することで、世の中にはこんな場所があって、それに携わる人はこんなに多いのかと知るようになった。

で、その後三十半ば頃に「子どもの本WAVE」の事務局をすることになり、すると、当時同じく事務局メンバーに広瀬恒子さんがいらして、名刺交換した際に「親地連(おやちれん)」という団体をはじめて知った。

正式名称は「親子読書地域文庫全国連絡会」。
公式HPにはこのようにある。

「1960年代から、全国に「燎原の火」のごとく広がった家庭文庫・地域文庫の連合会として、1970年4月12日、東京・岩波ホールで「すべての子どもに読書の喜びを}を合い言葉に発会式を行いました。 それから50年余、地域で地道に活動を続ける家庭文庫や地域文庫、また図書館や学校図書館の発展を求める人々を大切に、それらをつなぐ役割をしてきました。

親地連HP

「なんと、文庫ってこんな全国組織まであるのね」と、感心したことを覚えている。
広瀬さんはめっちゃカッコよくて、おやちれんという言葉の響きもなんかイイ。

以降、その後も私が文庫に関わることはなかったが、なんか文庫って面白そう、文庫の歴史や相関などがまとまった本があればよいなあと、ぼんやり期待するようになった次第。

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