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おかゆさんのやさしさ

朝もやの立ち込める台所で、
おかゆさんはため息をつきました。

「はぁ...私って、
なんだかさみしい色をしてるのかな...」

となりでは、カレーライスさんが
スパイスの色鮮やかな服を着て、
ラーメンさんは
キラキラしたスープをなびかせ、
ハンバーグさんは
こんがり焼き目を自慢げに。

「みんな、素敵な色だなぁ...」

🥣

その日、ケンタくんが風邪で
お休みでした。

「ねぇ、ケンタ。
いつものカレー、作ろうか?」
お母さんが心配そうに聞きます。

でも、ケンタくんは
小さく首を振りました。
「う、うん...
今日は、ちょっと...」

ラーメンさんもハンバーグさんも
困ったように顔を見合わせます。
「僕たち、ちょっと
刺激が強すぎるかな...」

その様子を見ていたおかゆさん。
「もしかして...私にも
お手伝いできるかも!」

そっと、お母さんの袖を
引っぱってみました。

「あ、そうだわ。
おかゆさん、お願いできる?」

ホッとしたような
お母さんの声に送られて、
おかゆさんは、そーっと
ケンタくんの前に運ばれました。

「おかゆさん...
なんだか、お月さまみたいに
やさしい色してるね」

ケンタくんの声に、
おかゆさんはドキッとしました。
自分の色を、こんな風に
見てもらえたのは初めて。

一口、二口...
「ふわぁ、なんだかポカポカする」
ケンタくんの頬が、少し赤くなります。

三口、四口...
「なんだか、眠くなってきちゃった...」
ケンタくんの声が、優しくなります。

気がつけば、すやすやと
眠るケンタくん。
「よかった...熱も少し下がったみたい」
お母さんの顔にも、笑顔が戻ります。

🥣

その夜、おかゆさんは
冷蔵庫の中で、そっと
みんなを集めました。

「私ね、気がついたの。
私の色は、派手じゃないけれど...
疲れた人の心を、
そっと温められる色なんだって」

「それならー!」
梅干しさんが、ぴょんと
手をあげました。
「私の桜色も、お手伝いできるわ」

「僕の緑も、きっと
やさしい色になるはず!」
小松菜さんも、嬉しそう。

「私たちの白い色も
キラキラできるかも?」
白ごまさんたちも、
こっそり集まってきます。

「みんな...」
おかゆさんの目に、
うれしい涙が浮かびました。

こうして始まった
おかゆさんの冒険。
優しい色探しの旅は、
まだ始まったばかり...

つづく


いかがでしたでしょうか?

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