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vol.20【なぜ働いていると本が読めなくなるのか 三宅香帆】を読みました…


「働いていても本が読める社会」
健全な社会…


1.「本が読めなくなる」理由が分かる…

江戸時代、読書といえば朗読(!)だったのだ。

この本では、江戸時代~現代までの
本の読み方やそのときに流行った本、
背景などが時代ごとに細かく
紹介されています。

堅苦しくなく「へぇ~」と思えることの
連続で読み進めていくことができる
構成です。

私自身、今でこそ本を読む時間を確保
できるようになりましたが、転職する
までは、本を読む時間を確保できず、

「年間数冊読めればマシな方」

という時期が13年間も続いていたので、
この本のタイトルでもある
「本が読めなくなる」理由を知りたい
気持ちも相まってどんどん読み進める事が
できました。


2.「年間総労働2426時間」は働きすぎ…

本の中では、
現代人との対比も書かれています。

会議と調整に追われるいかにも日本的なサラリーマン像と何も変わっていない。

その時代ごとの人々の様子と、現代人の
様子とを見比べることで客観的にとらえ
られているなと所々で感じることが
できます。


労働者1人当たりの平均年間総労働時間
についても書かれています。

源氏鶏太の小説『天下を取る』が石原裕次郎主演で映画化された1960年。

厚生労働省の「毎月勤労統計調査」によると、同年の労働者1人あたりの平均年間総実労働時間(事業所規模30人以上)は2426時間だったという。

ちなみに2020年(令和2年)の労働者1人あたりの平均年間総実労働時間は1685時間なのだから、さすがに働きすぎである。

筆者自身は、仕事が嫌いなわけではなく、
「働いていても本が読める社会」
健全な社会だということも本の中で
述べられています。

スーパーで働いて、本を全く読めて
いなかったときは、
「本を読みたい!」
という気持ちすら出てこず、休みの日は
寝るだけという日々だったので、
働きすぎだったのかなと。

ほんの数年前まで1960年代の働き方
以上に働いていたと思うとゾッとします。


3.愛媛に住んでいるなら「坂の上の雲」…

本の中では、「司馬遼太郎」の作品が
出てきますが、最近、ラジオを聞いて
いると、この「司馬遼太郎」の名前が
度々出てきます。

作家や脚本家の方が名前を挙げていたの
ですが、「坂の上の雲」「竜馬がゆく」は
どちらもなかなかの長編です。
(どちらも文庫8冊分)

現在、「燃えよ剣」(上・下)が積読中なの
ですが、いきなりどちらかに挑戦しても
いいのかなと思い始めています。


4.自薦には拒否反応…

本屋に行くと、新書のコーナーでは、
タイトルが面白いなと思う本が数多く
並んでいるのですが、実際に購入する
機会はあまり多くはありません。

よく知らない著者の方のものをお金を
出して読みたい、とまではならない
からです。

「売れている」

ということも帯やPOPに書かれていて、
情報だけは入っていましたが、この本も
実際に手に取ることはありませんでした。

今回、購入したきっかけは、三宅さんが
NHKのラジオに出演されていたこと
でしたが、人となりが分かると、

「購入して読んでみたい」

という気持ちにさせられます。

ラジオの放送では、本の内容にはあまり
触れていなかったことも良かったのかなと
思います。

「私の書いた本、面白いから読んでみて!」

と言われると、ちょっと拒否反応が
出てしまうからです。

どちらかというと、自薦よりも他薦の方が、
「読みたい」気持ちが沸き上がります。


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