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発酵日記
2023年5月25日 05:07
大学3回生の冬休み。寒さの厳しいアレクサンドリアを脱して、「恋するダハブ」という異名があるリゾート地に逃避行した。そこでの出会いと束の間の日常を描く。 #1はこちら 私たちは宿に戻った。ムハンマドさんは屋上で本を読むらしい。私は街を歩くことにした。ダハブという街は狭い。レストランと宿しかないと言っても過言ではない。街の全長は四キロ程度なので、2時間もあれば徒歩でも大抵の場所は見て回ることができる
2023年4月12日 08:22
大学3回生の冬休み。寒さの厳しいアレクサンドリアを脱して、「恋するダハブ」という異名があるリゾート地に逃避行した。そこでの出会いと束の間の日常を描く。 #1はこちら 店は歩いてすぐの通りにあった。店の入り口には壁やドアはなく開放的な作りとなっており、奥にキッチンと料理がビュフェのように並んでいる。注文をするとそこから手早くサンドイッチを作ってくれる。路上にテーブルや椅子がいくつか置いてあり、そこ
2023年4月10日 08:37
大学3回生の冬休み。寒さの厳しいアレクサンドリアを脱して、「恋するダハブ」という異名があるリゾート地に逃避行した。そこでの出会いと束の間の日常を描く。 #1はこちら 十数時間にも及ぶバス移動の末、ついにダハブに到着した。バスから降り、思いっきり体を伸ばしていると、いつものようにタクシー運転手による攻撃が始まる。餌に群がる池の鯉のようにタクシーの運転手は観光客に営業をかける。「ユー・ニード・タ
2023年4月8日 10:11
大学3回生の冬休み。寒さの厳しいアレクサンドリアを脱して、暖かなダハブへの逃避行をした。そこでの出会いと束の間の日常を描く。 #1はこちら ダハブへの道のりは長かった。夜行列車でアレクサンドリアからカイロを経由し、シナイ半島に入る頃には5時間が経過していた。バスの中は冬だというのに冷房が効いており、眠ることが困難だった。それでもラジオを聴きながらうとうとしていると叩き起こされた。午前3時ごろの話
2023年4月7日 09:52
大学3回生の冬休み。寒さの厳しいアレクサンドリアを脱して、「恋するダハブ」という異名があるリゾート地に逃避行した。そこでの出会いと束の間の日常を描く。アレクサンドリアを出発した私は、バスに揺られていた。窓にはひたすら夜の荒野が写っている。オフシーズンだからかガラガラなバスの車内は、冬だというのにガンガン冷房がかかっており、とても眠れるような状況ではなかった。私はリュックからコートを引っ張り出し