二つの部屋/二つの詩
写真展「二つの部屋」において、会場に掲示(設置)した2篇の詩「鬼やんまの飛行」「真空飛翔」の作者「猛ふぶき」さん(詩作名義は「鬼りんご」さん)。
どのような経緯を辿り二つの詩が写真展に姿を現すに至ったか、そして写真展そのものについての、詩人ご自身による微に入り細を穿った批評をご紹介します。
写真展「二つの部屋」を訪れた方、あるいはわずかでも興味を抱かれた方は、少しずつでも構いませんので、ぜひとも読んでいただきたいと思っています。
なぜなら、猛ふぶきさん(鬼りんごさん)の立場でなければ、内在的でもあり同時に外在的でもある、このような恐るべき批評を書くことは、原理的に不可能だからです。
写真展「二つの部屋」とは何か、という問いへの答えが、これら「二つの詩」の創造と公開の因果に含まれている事実は、時間と存在に関する常識的な観念を密かに裏返している...…そう記すのは、果たして大袈裟でしょうか。
「鬼やんまの飛行」「真空飛翔」の詩2篇は、猛ふぶきさん(鬼りんごさん)のnote記事をお読みください。
また、実際の展示イメージは、以下の記事に掲載しています。
会期中、額装され、床に置かれた二つの詩に、何分間もじっと視線を落とし続ける鑑賞者の方が、幾人もおられました。
写真家に対しては、
「この写真は何を撮ったの?」
と質問を投げかける来場者が大勢いらしたのに、詩に関しては、
「この詩はどういう意味なの?」
「なぜ写真展会場に詩が置いてあるの?」
と訴える方は一人もいらっしゃいませんでした。
十と九日のあいだ、二つの詩は写真たちとともにその場にとどまり続け、まるで言葉であって言葉ではなく、言葉ではなくて純粋に言葉であるかのようでした。