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ミラノ

1883年3⽉9⽇、トリエステで⽣を受けた詩⼈ウンベルト・サバ。

彼ならではのアフォリズムに彩られた詩は、故須賀敦⼦さんを惹き付け、彼女がそれらの詩を美しい⽇本語に訳してくださっています。

ウンベルト・サバの詩に『Milanoミラノ』というのがあるのですが、これがサバの詩の中で⼀番好きな詩です。

Fra le tue pietre e le tue nebbie
faccio villeggiatura.
Mi riposo in Piazza del Duomo.
Invece di stelle ogni sera si accendono parole.
Nulla riposa della vita
come la vita.

⽯と霧のあいだで
ぼくは休暇を愉しむ。
⼤聖堂の広場に来てほっとする。
星のかわりに夜ごと、ことばに灯がともる。
⽣きることほど、⼈⽣の疲れを
癒してくれるものは、ない。
(須賀敦子訳)

⼣⽅から夜にかけて、ミラノのドゥオモ広場を通る時なのは、なぜかこの詩を思い出すのです。

引⽤︓Umberto Saba『Poesie scelte』Oscar Mondadori
邦訳は須賀敦⼦全集の第5巻『ウンベルト・サバ詩集』河出⽂庫

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