ヘリアンフォラ ヌタンヌ　蓋にも成らぬ、小さな可愛い突起の秘密

ヘリアンフォラ ヌタンス
（HELIAMPHORA NUTANS）


ツツジ目、サラセニア科、ヘリアンフォラ属


南アメリカの北東部、大西洋に面したギアナ
地方に自生するサラセニア系の食虫植物。


標高が２０００ｍ以上の涼しくて湿度の高い
環境に適応しているもの。


その特徴は、サラセニアによく見られるあの
蓋状のものはなく、小さく可愛らしい突起が
大口を開けたトラップの上にちょこんと鎮座
しているもの。この部位は雨を防ぐ目的には
何の役にも立たないが、虫を中へと誘い込む
為のものとなっている。


この突起の表面は円形状に膨らんでいて鈍く
光を反射する仕組みになっている。これは虫
へ目的地へ誘導する視覚的効果をもつものだ
と考えられている。


そして、表面からは分からないが、この裏に
蜜腺があり、甘く魅力的な芳香を放つもので
嗅覚的効果により虫を誘い込む仕組となる。


この部分に魅了されてやってきた虫達はこの
突起の誘惑にまんまと引っかかり、この部位
の裏側へと接近すると、そこは滑り易い上に
トラップに落ちたものが二度と這い上がれぬ
様にピッチャーの内面に細かい毛が下向きに
生えていて、上方に戻れない仕組みをもつ。


溶解液内に落ちた虫はゆっくりとその身体を
溶かされて、トラップ壁から養分として吸収
されてしまうものである。


このヘリアンフォラは、サラセニアの中でも
可愛い形状やサイズが手頃なためにマニアに
人気のある食虫植物のひとつである。


そんな虫を食い物にする食虫植物だが、その
花も美しくて、鑑賞価値も高いものである。
この二面性がこの植物の持つ魅力なのかもで
ある。


食虫植物は、本来は他の植物同様に光合成も
行うことから、食虫機能はおまけ程度のもの
と考えられており、虫を与えずともちゃんと
育つものなので、室内てわ育てるのには丁度
良いものかも知れない。

洋名　サン ピッチャー プラント
　　　（SUN PITCHER PLANT)
学名　ヘリアンフォラ ヌタンス
　　　（HELIAMPHORA NUTANS）
品種　ビッグ オックスフォード
　　　（BIG OXFORD）
分類　ツツジ目、サラセニア科、
　　　ヘリアンフォラ属
種類　サラセニアの仲間
草丈　１０〜１５ｃｍ
開花　１１〜１２月
花色　白、桃
花径　６ｃｍ
花弁　４枚
原産　南米のギアナ地方
言葉　憩い
　　　風変り
　　　変わり者
撮影　２０２４年１１月９日
場所　京都府立植物園

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