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# 植物図鑑 『有毒編』

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身の回りにある植物の有毒情報を紹介
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2024年4月の記事一覧

駒草

駒草

駒草 (コマクサ)

キンポウゲ目、ケシ科、コマクサ属

その花姿を馬の顔に見立てて命名された植物。
その命名者とは我らが牧野富太郎博士による。

山岳地帯の強風が吹き荒ぶ様な寒くも過酷なる
環境の岩場に自生しており、その姿の美しさと
希少価値の高さの両方から『高山植物の女王』
と呼ばれている植物である。

その呼び名も相まって、見つけた者が持ち帰る
事例も少なくはなく、絶滅危惧種となっており

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浦島草

浦島草

浦島草 (ウラシマソウ)

天南星(テンナンショウ)の一味のひとつ。

キノコバエを受粉協力者とする為に、この虫
の好物のキノコの匂いを漂わせて花の中へと
誘い込んで受粉を手伝わせる。キノコバエは
その魅惑の匂いに騙されて受粉のお手伝いを
させられる割に、餌も何も与えられず協力損
の役回りである。この天南星グループは雌雄
異株であり、雄花の方は抜穴がある為に脱出
可能であるが、雌花には抜穴は設けら

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亜米利加蝋梅

亜米利加蝋梅

亜米利加蝋梅 (アメリカロウバイ)

クスノキ目、ロウバイ科、クロバナロウバイ属

北米を原産とする落葉低木で、飴色の花を
咲かせる蝋梅(ロウバイ)の仲間となる。

その見た目はチョコレート色、そして芳しき
その香りはストロベリーそのものという魅惑
の植物であり、色と香りにしばし良いしれる。

残念ながら、ロマンチックムードを台無しに
してしまうが、これの実は猛毒で食べたら
悶絶する程の激痛の後に

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紫華鬘

紫華鬘

紫華鬘 (ムラサキケマン)

ケシ科、キケマン属、ムラサキケマン種

日本の固有種のケマンソウであり、外来種の
ものより生息域は狭いもの。

その名にある華鬘(ケマン)とは仏具の事で
花の形が似ているからとこの名がついた。

この独特な形状の花だが、斜めに傾斜してる
距(キョ)と呼ばれる先端部に蜜が蓄えられて
おり、それを求めて小型のハチが潜り込むと
ハチの体の重みにより花弁が下がると同時に
雄蕊

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藤擬

藤擬

藤擬 (フジモドキ)

アオイ目、ジンチョウゲ科、ジンチョウゲ属

中国原産の薬用植物で、日本へは江戸時代の
初期に鑑賞目的に渡来してきた。

写真は夕刻の日が沈む前に撮影したが、その
藤色の花がとても幻想的で吸い込まれる様な
魅力をもつものである。フジモドキの名称は
藤色の花の色からついたものである。

その花には薬効成分が含まれており、利尿、
去痰、鎮咳、腰痛、疥癬、腹水、喘息、等
に用いられ

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SPRING STAR FLOWER

SPRING STAR FLOWER

スプリング スター フラワー
(SPRING STAR FLOWER)

キジカクシ目、ヒガンバナ科、ハナニラ属

春のこの時期になると樹木の下に群生して
星形花を咲かせるのがこれである。

アルゼンチン原産の植物で、日本への渡来は
江戸時代、観賞用としてきたものとなる。

さて、このハナニラ、名前がいけないと思う。
顔を近付けてみたなら、なるほど韮の香りが
して、何だか美味しそうな気がする。

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