NTTソノリティを卒業しました
扉画像は、オフィスのある東京オペラシティの広場の巨人さん。
と言うわけで、2022年4月に入社してからの2年弱でしたが、今日の1月末をもってNTTソノリティ(NTTS)を卒業しました。
NTTSに来るまで、まる22年間ゲーム業界にいたのに、何故異業種にチャレンジしたのか、また何故ゲーム業界に戻ることにしたのか、節目の日にその辺りを残しておこうかと。
遡ること6-7年になりますが、2社目にあたるDeNAにいたときから、PdMカフェとかpmconfとかプロダクトマネージャー界隈のコミュニティや、RSGTやスクフェスなどのアジャイル/スクラム界隈のコミュニティに参加していて、ゲーム作りもつまりはプロダクト開発だよな、と。そう言う意味ではゲーム業界ではいくつかのプロダクトをリリースしてきて、それなりに市場にも受け入れられて、強いチームで再現性を証明したい、みたいな形で組織マネジメントに関わることになり、いろいろやって、成功も失敗もありつつ一通りやれたかな、と。
ふと立ち止まって、なにかプロダクト開発に関わってみたい。できればデジタルコンテンツだけではなく、サービス開発や、物理的なプロダクトも含めて、と考えたのがきっかけでイヤホンプロダクトの市場ローンチに取り組む、みたいな事がやりたくてNTTSにJoinしました。
一筋縄ではいかなくて、いろいろ事件はありつつも、最初に取り組んだのは、NTT研究所で開発された、スピーカーから出る音に逆位相を当てることで音漏れを減らす、パーソナライズドサウンドゾーン(PSZ)技術を搭載したイヤホンを、NTT発のコンシューマ製品としてローンチさせること。
諸々考えた結果、プロモを兼ねて、クラウドファンディングで、NTTのグループ会社が、これからこう言う事やっていきますよ!みたいな打ち出し方をやってみることに。支援する側ならともかく募る側なんて、普通になかなか出来ることじゃないので、楽しい経験をさせていただきました。GREEN FUNDINGでそれなりに話題にしてもらい、まずまずの立ち上げが出来たのではないかと。クラファンの報告をNTTの澤田会長に報告しに行くようなイベントも発生してビビったりもして、楽しかったです。
なにより、その過程において、色々痛みもあったものの、ゲーム畑の経験しかない自分を筆頭に w、おおよそコンシューマセールスに全く不向きであろうチームメンバーと一緒に遊撃的に発売まで漕ぎつけることができたのは面白かったです。ここの話だけでも色々話せるネタが多いw
そのイヤホンについて、コッソリAmazonのリンク貼っておきますね。
ただ、第二弾、三段と進めていくうえで、社内リソースやビジネスプランの流れにより、もともと自分がやりたかった、単なるイヤホン開発だけの勝負ではなく、NTTグループを活かした音声ARのようなコンシューマサービスを含めた展開からは、だんだん遠ざかっていってしまいました。
幸い、個人的にちょっと行き詰まった感があったタイミングで、NTTSがスマホを使った音声コミュニケーションサービスのベンチャー企業であるBONXへの出資したのを機に新しい部署が出来て、toB向けのサービス開発のロールに異動することになったわけです。
BONX自体も少し前にtoCからtoBへシフトしたタイミングで、これからどうやってグロースさせていくか、みたいなフェーズでご一緒することが出来て、とても面白い時期でした。ベンチャーとして若い力でまとまってチームビルディングをしている最中でしたが、その動きやメンバー同士の葛藤もこの時期だからこそのもの。そう、自分はNTTSにこのフェーズを期待してたのかもしれない。
そんな中、自分が担っていた役割としてはテクニカルセールス的なポジションで、主に両社において、技術面とビジネス面のブリッジみたいなことをやっていました。
いまから思い返すと、そこが最大の反省点ではあるんですが、「サービス開発」という立場であったなら、結局中途半端にそのタイミングでもっと現場に入っていくようなムーブは出来たんじゃないかなと。具体的には、SaaSプロダクトのソースコードを実際に見たり触ったりさせてもらったり出来たんじゃないかと。一応エンジニアバックグラウンドだし、使っている環境(Goとか)も書いたことあるしなぁ、と。社内のロール(と自分が勘違いしていたかもしれないもの)がブレーキとなり、そこが踏み込めなかったのはずっと引っかかっていたのでした。
そうやってモヤモヤしながら、やっぱり自分のバリューがでるところって、ブリッジじゃなくて直接プロダクトに作用する場所だよなぁ、とか、長らくマネジメントポジション多めだったけど、やっぱり何か具体的に貢献したいよなぁ、という思いがわき上がってきたのでした。
そんななかで、自分探しみたいな意味も込めて、去年の夏休みとして日本のゲーム開発者の一大イベントであるCEDECに参加したときのことです。CEDECでは、勝手知ったる業界っていうバイアスはもちろんあるけども、業界の各社の人達がよりよいプロダクトづくりに切磋琢磨している姿をみて、オンリーワンの技術のスタートアップとか、っていうのもステキだとは思うけど、会社を跨いであーだこーだ語り合ってる姿をみて、やっぱりこの空気感いいなぁというのを感じました。
過去に一緒にやってた面々やいまや立派に活躍しまくってる後輩さん達からも、そんな感じなんだったらゲーム業界戻ってきたらええやん、なんて言われたこともあって、次にやることとして、ゲーム業界に復帰することを検討し始めました。
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とはいえ、じゃあ、あんたゲーム開発でなにやるの?っていう所がずっと引っかかっていて、もちろんいろんなプロジェクトをやりたいみたいなこともあるけれど、自分のやりたいこと、やるべきことはもっと抽象度高めな所とか、積極的に日々なにかを学んで会社や業界に還元していきたい、みたいな事だなぁ、とも思ってました。
色々検討する中、突発的に面白い飲み会に呼んでもらったり、ひょっとして海外もあり?だなんて妄想しながら、いろいろとお話を伺ってるうちに、2〜3年後をターゲットに面白いことできないっすかね?という、これだ!というミッションを戴くことができたので決断するに至りました。
そのミッションも、一朝一夕じゃ実現できないし、自分だけじゃ到底達成できないので、色々と温めていき、タイミングをみて一緒に戦っていく仲間を業界の内外でも見つけたいななんて考えていたりするのですが、その話はまた追って!(個別にお会いする方々にはご相談するかもですがw
話はNTTSに戻しますが、良くも悪くもここでしか味わえなかった体験としては、大手老舗ゲームパブリッシャーだったり、いわゆるメガベンチャーと呼ばれる会社だったりを経ていた自分にとっても、NTTグループの大きさは想像の範囲を超えたデカさでした。そこで動いている人達の多さや世界観の違い、影響範囲など、外から見ていたときのイメージとは全然違う解像度で知れたりしたのは良かったです。
とはいえ、NTTS、と言うかNTTグループで働くことに対して、価値観や自分のマインドセットが合わせきれなかったことが、転職を決意した一番の理由ではあるのですが、人生5周目のスタートを迎えるこの歳になって、自分自身のメンタリティをメタ認知することができたり、自分の中での知的報酬やチャレンジが必要なんだな、ということも思い知ったり。間違いなく自分のキャリアの中で学ぶべきことを多く得た時間でした。
今回の仕事を通じて知り合った人達も面白い人ばかりだったし、できれば今後とも仲良くさせていただき、いつか何らかお仕事で絡んだりもできればと思っていたりもします。
あと、某大手商社から出向してる人達とも一緒に働くことが出来たんですが、商社の人に対するイメージが変わったのと、ずっと仲良くしてもらいたいという出会いにもなりました。これもゲーム業界ではなかなか得られない、超ポジティブ体験。
この場を借りて、ご一緒させていただいた皆様、大変お世話になりました。
というわけで、明日からのミッションに緊張とワクワクが止まらないですが、生暖かく見守っていただければと!
ではまた!