拝領唱 "Domine Dominus noster" (グレゴリオ聖歌逐語訳シリーズ96)
GRADUALE ROMANUM (1974) / GRADUALE TRIPLEX p. 357; GRADUALE NOVUM I p. 43.
gregorien.info内のこの聖歌のページ
【教会の典礼における使用機会】
後日追記する。
【テキスト,全体訳,元テキストとの比較】
Domine Dominus noster, quam admirabile est nomen tuum in universa terra!
主よ,私どもの主よ,地上全体において御名はなんと驚嘆すべきものでありましょうか。
詩篇第8篇 (ヘブライ語聖書でも第8篇) 第2節前半がそのまま用いられている。テキストはローマ詩篇書にもVulgata=ガリア詩篇書にも一致している (「ローマ詩篇書」「Vulgata=ガリア詩篇書」とは何であるかについてはこちら)。
【対訳・逐語訳】
Domine Dominus noster,
主よ,私どもの主よ,
"Dominus" は本来主格の形であって,呼格ではない。しかしこの "Domine Dominus noster" の中では例外的に呼びかけと解釈する (文脈上そうせざるを得ない)。ラテン語の伝統にこのような現象があるのかどうかは知らないが,いずれにせよ七十人訳ギリシャ語聖書でこの箇所がやはり「呼格 + 主格」となっており,それを素直にラテン語に移したのだろうと思われる。
quam admirabile est nomen tuum in universa terra!
地上全体において,御名はいかに驚嘆すべきものでありましょうか。
感嘆文。