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引き留めてもらえるしあわせと、出発を祝ってもらえるしあわせで

学校で働いていたときは、辞めるまでに長すぎる時間がかかった。


辞める と決めてから何年もかかったし、

その前の、辞めたいけれどどうしよう の期間もそうとう長かった。


辞められなかったのは、自分が決心してタイミングを決めきれなかったのが一番の理由。

定年以外で辞めていく人をほとんどみたことがない世界で、辞めたら死ぬんじゃないかと思っちゃって。

同時に、「辞めたがってる自分を引き留めてもらえる環境」が好きだったのかもしれない。


「先生、授業上手なんだから」

「あんなにクラスみんなから愛されてる先生いないよ」

「女が仕事を続けていくなら、学校はいいところだと思う」


辞めないでって言われながら働き続けられるのは、歪んでるけど幸せだったんだろうな。

最後まで大事に尊重してくれて、一緒に働こうよって言ってくれて、それでも最後は気持ちよく送り出してくれた人たちに、感謝の気持ちしかない。




そんな教員生活を、やっと決意して終わらせたのが今年3月。

12月のわたしは昨日、2通目の退職届を出してきた。




辞めたいという話は少し前からしてあって、届を出すまでにはやっぱりあれやこれやと話し合いが必要だった。
12月末でお仕事を終えることは決まっていたので、昨日は退職届を渡すだけだった。



急にぐっと冷え込んだけど、澄んだいいお天気の朝10時。

駅までの帰り道がとっても明るくて、気持ちも晴れた。





いろんな人が、いろんなところから連絡をくれた。

どれも、よかったねとおめでとうでいっぱいだった。


引き留める人が誰もいないのが、今はうれしくってありがたい。


出発を祝ってもらえるしあわせを感じつつ、真っ白な2021年に向かいます。




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