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ファンとしてレベルアップするのにほしい「語彙力」と「みる力」の話

「今度こそカウンター持ってくるよ」

そう言ったのは、最近わたしの「推し活」に同行してくれている友達だ。

息を吐くように「かわいい……」が口からこぼれるのがとにかく気になるとのこと。わたし、そんなにかわいいかわいい言っているかなぁ。

何事にもハマることのない彼女の目には、ずっと誰かに夢中なファン人生を歩むわたしの反応がいちいちおもしろくてしかたないらしい。

ファンの集まる場に足を運ぶのは、彼女にとっては留学と同じなんだろうなと想像する。

わたしも含め、ほかのファンたちやアイドルくんたちの反応を見ては、「こんな風に言ってたね」「みんな~していたね」とわくわくしながら教えてくれる。

その話を聞いて、ちょっと外から見るとわたしのいる世界はそういう風に見えるのかと、勉強になることばかりなのでわたしにとっても面白い。

そんな彼女のおかげで、最近「推し活」がこれまで以上に捗ってしまってしょうがない。

だからこそわたしが最近ほしくてほしくて仕方がないものが、「語彙力」と「みる力」だ。



ファンというのはきっと、書かずにはいられない生き物なんだと思う。

コンサートや舞台に入った後のレポートを筆頭に、ファンレター、SNSへのコメント、ファン同士のチケット交換の交渉メール、うちの子を取り上げてくれたメディアへのお礼、身近な人への布教活動……挙げていけばキリがない。

何かを書くことになる度に悩むのが、気持ちに言葉が追いつかないこと。

好きな人のことを語りたいときほど、言葉が出なくなるのはどうしてだろう。

好き。かわいい。尊い。最高。

そんな単語しか出てこない。言葉にして書き残したり、誰かと共有したりしたいのに、とっておきたい瞬間になると普段からそう多くはない語彙がさっとどこかに消えてしまう。

どうにかこの悩みを解消するために必要なのが「語彙力」と「みる力」だと思っている。


語彙力の正体は、知っている言葉×言葉を使いこなす力

能力を哲学する絵辞典『スキルペディア』によると、語彙力という言葉の力は下記の式で表せる。

語彙力=「知っている言葉の量」×「言葉を使いこなす力」

そして、語彙力を向上させるには、

1:より多くの単語・言葉を知って「認知語彙」を広げる
2:単語・言葉をさまざまに使って「使用語彙」を活性させる


熱心なファンは、文章が上手な人が多い。

好きを何とか表現するために身に付けてきた力なんだと想像する。

だから、「こんな風に表現できたらいいのにな」と思う人たちの文章をたくさん読むことにしている。

語彙を増やすには、本を読んだり辞書を引いたりするという。

けれど、わたしが欲しているのは、好きを表現するための語彙で。

それなら、ファンの人たちが熱をこめて書いた文章を読んでいくのが一番の近道なはず。幸い、元から熱心なファンの書いた文章を読むのは好きなタイプ。やることは変わらないが、「これ、いつかわたしも使ってみたいな」という表現を見つけたら心のなかに貯めている。


「みる力」を育てれば、同じ景色からたくさんのものを受け取れる

「みる力」と一言でいってもそれは、いろんな「みる」の総合力だ。

視野・視座・視点・焦点・着眼・洞察・目利き・見立て・かえりみ・まなざし

いろんな「みる」を、深めて、成熟させていく。そして、コンサートの「最高!」のシーンからもより多くのことを受け取りたいと思っている。

話の面白い人は、話し方が上手なこともあるけれど、やはり内容がその人オリジナルなのが魅力だと思う。

どこから、どこを、どんな風にみるのか。みえたものから、何を考えるのか。何とつなげるのか。

これらをどうやって育てるの?っていうのは難しいけれど、まずは意識的にみようとすることから始まる気がする。


「最高!」ってしか言いようがない瞬間に、「どこが最高だったんだろう」って自分に尋ねてみる。少しずつでも言葉にしていく。

書評家の三宅香帆さんが、「好き」を書くには語彙力よりも細かい部分を伝えることと言っていたのが印象深い。

自分だけのマニアックなポイントでも、どんな風に好きなのかをしっかりみて、言葉に落とし込む練習をするつもりでいる。


「語彙力」と「みる力」を手に入れて、よりレベルアップしたファンになる

「語彙力」と「みる力」。

この2つを手に入れられたら、好きなものをもっと好きになれるはずだし、書いて残せるようになるはずだし、誰かに伝えられるようになるはず。

これからもずっとファンな人生を歩むことになるだろうわたし。きっともっと豊かに生きていけるはず。

ファンレベルが上げられるよう、「語彙力」と「みる力」を何とか向上させていく所存。



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