知ることわかろうとすること「笑うマトリョーシカ」最終話
9月6日に公開された最終回では全ての謎が明らかになる。
真実とは何なのか、清家一郎の思惑は何なのか。
※ここから先はネタバレを含む表現があります。ご注意ください。
10話のラストで清家は道上に提案した内容、それは道上に自分のブレーンになってほしいというものだった。
突拍子もない清家の行動に、視聴者の方も驚いたでしょう。
清家には誰かの支配下にあるのは周知の事実だ。そのため何か裏があるのではないかと勘繰ってしまう。
実際に道上も戸惑っていたが、清家に近づけば真のハヌッセンの存在がわかるのではとブレーンになることを選んだ。
道上の狙いは、清家のブレーンとなり真のハヌッセンを見つけ清家を救うこと。
しかしその思いとは裏腹に、道上の意見を聞き入れ政治活動を進めていく清家の姿に不思議な感情が湧くようになる。
自分の意見や考えが清家を通して世の中に伝わっていく感覚。道上の思う世の中になっていく、その感覚を身をもって経験した道上は、鈴木や浩子、美和子が清家に執着してきた意味がわかっただろう。
道上もブレーンとして清家の近くにいることで本来の目的である、清家の真のハヌッセン探しを忘れてしまっているようだった。
しかし、そんな道上の目を覚まさせたのは、記者としての道上を信じ尊敬してきた家族や仲間の存在。
息子の勇気や上司の山中、そして浩子の言葉を道上は思い返していた。
息子の勇気は母の姿をかっこいいといい、上司の山中はお前はブレーンである前にジャーナリストだと伝えた。そして浩子は、貴女は私とは違う。一郎くんを救ってほしいと。
目が覚めた道上は、清家のブレーンを辞め、BG株事件の証拠のテープを記事にして公表することにした。
そして多くの人に読まれ、世の中を動かした。
なんとここで、記事にしてほしいことがあると羽生総理から連絡がくる。
それは、和田島もBG株事件に関わっていることだった。そして関与をもみ消していたのも和田島だった。
そして清家は代議士になってから和田島とよく会っていたことが明かされた。そのことで、清家のハヌッセンは和田島ではないかと踏んだ道上は清家にこの疑問をぶつけた。
しかし、明かされた真相、それは清家にハヌッセンはいない、ということだった。
父の和田島は清家に、操ろうとしている人物を利用していくことを教えていた。
清家は自らの意思で、浩子、美和子、そして鈴木を切り捨てていた。
道上が当初から話していた清家から感じるSOSそれは、主体性がないことなのではないだろうか。
清家は、真綿のように人の意見を吸収していく主体性のない人物。
だからこそ生じた誤算は、1人になった今、自分が何をしたらいいかわからな
そのことを道上はSOSとして感じとったのだろう。
今作で感じた強いメッセージがある。
それは知ること、わかろうとすることだった。
恥ずかしながら、政治に関しては本当に無関心で、何も知ろうとしていなかった。
しかしこの作品が進むにつれて、知ることの重要性を感じ、現政権への興味も湧いてきた。
それから時間のある時に新聞を手にし読んだりしています。
「何もわからず、わかろうとしない」
そのことが独裁につながるのだと強烈なメッセージとして残している。
だからこそ私は、私のペースでわからないをわかろうとしています。
まさかドラマから政治に興味を持つなんて思っても見ませんでした。
間違いなく私の今後に大きく影響するでしょう。
そんな作品に出会えて幸せです。
原作も購入したので、ゆっくり読みます。
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