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ドラマ「ホットスポット」バカリズムが描く平凡な日常

日本テレビで放送している「ホットスポット」。
バカリズムの描く平凡な日常に、「あるある」を感じながら見ていました。日常の切り取り方がお見事すぎる。

※ここから先はネタバレを含む表現があります。ご注意ください。

今作でいうと、健康のために自転車で通っているが、冬は寒くて健康を損ねそうになるというナレーションにまず共感し。
他にも、ホテルのフロントで同僚と話しているが、チェックアウトの人が次々と来るので長めの話は向いていないとか(この時に「それで?」と続きを聞こうとしたら「どこまで話ましたっけ?」という、この会話が入ることでよりリアルな世界を演出していると思うんです)、ホテルのタオルを持ち帰る宿泊客へ「間違ってお持ち帰りではないですか」と言おうと提案した同僚が、スーパーで無料のポリ袋を大量に持ち帰っている場面を見て「間違ってであってほしい」と揶揄するところ。
こういう誰もがわかるわかる、いるよねこういう人と簡単に共感できる内容でストレスなく(これ大事!)スッと入り込んでくるところがバカリズム脚本の好きなところ。
冒頭から私の心はガッチリと掴まれたのでした。

そんなごく普通の主人公の前に、宇宙人が現れるという非日常が合わさって、主人公の日常が変化していくこのドラマ。

どんな内容かと思ったら、宇宙人の登場に困惑しながらも、内緒と言われたのに幼馴染に話てしまうし、能力を見せてもらうし、宇宙人にテレビを盗んだ犯人を見つけてもらうし、と未知の生物への対応が雑。なんなら宇宙人の登場を思いっきり楽しんでる。

幼馴染の美波は、「宇宙人だって聞いたんですけど」って笑いながら本人に言ってしまうし。同調して「でも見た感じ普通に地球人ですけど」って葉月もたたみかけちゃうなんともカオスな状況。

さらに、能力を使うことで、副作用がでてしまう宇宙人。車に轢かれそうな清美を助けたことで、熱が出てしまったり、10円を曲げたことで手が痒くなったり、離れたところから会話を聞き取ろうと耳を澄ませたら気圧の変化にあったような耳への圧迫感があるしと苦労が多そう。それなのに、他にも能力を見せてくれと、期待の眼でこちらを見てくる清美とその幼馴染。

こんな雑な扱いをされる宇宙人がかつて居ただろうか。

細かい仕掛けが後に効いてくるのが、バカリズム脚本の醍醐味。
幼馴染3人で話していた「主役顔」が最後の最後で出てくるとは思わなかった。それに、中本さんのInstagramをこっそりフォローしているから、ついた嘘に気づいた。何気ない会話にも伏線があるので一度では何度見ても面白いだろう。

大好きなバカリズムワールド、今作もどっぷり浸れそうだ。


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斉藤 恵里佳/Saito Erika
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