百年の孤独を読んで、逆に落ち込むの巻
百年の孤独が文庫化されると色んなとこで取り上げられてるから遅ればせながら買ってみた。
その時点でたしか5刷。すごいね
昨日の朝ようやく読み終わった。
1ヶ月強かかったが、なんかの雑誌によればあれを一日で読む人もいるらしい。どんな脳みそしてんだ
一気に読んだ方があれこいつ誰だってならないからそれはいいんだろうが
私は内容が濃く情報量が多すぎてちょっとずつしか処理できなかった まあちょっとずつじっくり味わう良さもあるってことで
(※ここからはネタバレあります)
まず翻訳の効果もあるだろうがこれだけ長いのに作者の自我が一切感じられないのは凄い。
なんか途中までは人が死んでもまあそうか、というかんじで割と楽しく(?)読んでいて「これどうやってオチつけるんだろう」と思いながら読み進めていたが、
後半にいくにつれてどんどん救いがなくなってきて、あれだけ長い間反乱という目立つ行動をして、作中同じ名前ばっかりで何代目かちょいちょい混乱をきたす私でも一発でわかるくらいの人物が勝者の歴史の中ではいつの間にか実在しなかったことになっており、(結局直属の子供は全員やられちゃったのか、うわ)
その後起きた抵抗も何千人(出先なので定かでない)も殺されたのに皆貨物列車に載せ海に捨てられて無かったことにされる。
バナナ会社の侵略もなかったことになっている。
まじで怖い。
労働条件とか、年金とかこれはおかしいと労働者側が声を上げると、全部殺されて存在すらなかったことになる。
現実の日本でも、死んでる人はもっと少数かもしれないけどそれに近いことはたくさんあるなと思って、南米でも(特にアメリカが近いし)そういうことがいっぱいあるんだ、
世界のどこでも、一部の人が労働者から搾取して、それに異議を唱えても無視、あるいは弾圧されたりしているんだということ
自分たちも、外国の人に頼って安い商品を得ているところはあるし
一族の何人かがそういう政府や大きな会社に抵抗しようとして、結局折れざるを得なかったり皆殺しにあったりして、最終的には家も街もどんどん崩れていって草や蟻に喰われていく
街からはどんどん人がいなくなり、いる人も彼らのことは覚えていない(政府側のいうことを信じちゃってる)むしろ本当のことを言ってる人が頭おかしいことになっちゃう
(たしか)5.6代くらいのことを書いていて、最初はまだ活気や希望があったのに結局なんもなくなってすごい悲しい
終わりとしても全体としても惰性がなく勢いよく終わってすごいけど終わった時えーっってなっちゃった
ものすごい虚無感
しかも最初の代の時点で全部予言されてたんかいっていうこれまた虚無
一代目のおばあちゃんが誰かが忘れた大金を元の持ち主に返したいからと誰にも教えずずーっと隠していたのに、終盤で家が崩れていく間に見つかってしまい、子孫に使われるならまだしも全然違う子供の集団に掻っ攫われてその子孫はそのために殺されるっていう…その時点でだいぶ頽廃的というかそいつも大したことには使わなかったんだろうがめちゃくちゃ悲しい
あとこの町出身じゃない見栄っ張りの人が嫁に来て見栄をはったがゆえに子供に対してやることなすこと裏目に出るというかあんま意味ないどころか最終的にそのせいで死んでないかみたいな
大きな歴史じゃないこういう狭い一部の歴史というか、前もなんかの団体の古い写真とか見てきゅーってなって「うわ、自分て長い歴史の中のたったこの数十年の一代にしか関わってなくて、周りにいる少しの人にしか知られず、ただこの時代の無数のうちの一人として死んでいくんだ」ということをまざまざと感じさせられて物凄い胸がつまるというかひんやりした気持ちになるんだが、まあ意味わかんないだろう
抵抗しても多勢に無勢でなかったことにされちゃうのか、と無力な気持ちにはなるけど、それに圧倒されずになんとか立ってがんばらなくては
プラスに考えれば、どの時代の人もどこにいる人も同じ苦しみを感じていて、それは共有できるということなんだから