いちじく
あまり馴染みのない果物だけど、私にとって忘れられない果物。
そもそもスーパーで売っているのを見たことが無かった。ケーキとかタルトに乗っているイメージはあったけど、味も全く分からないまま20数年を生きていた。
誕生日の時かな?いちじくの話題が2人の間に出たのは。君が美味しいと言うから、私はずっと食べて見たかったのだ。
君と別れる数時間前、駅で君とドライいちじくを食べた。これが私の人生初いちじく。プチプチした食感が印象的だった。
数ヶ月後、スーパーでいちじくを見かけた。友達も美味しいと言うので思い切って買ってみた。念願のいちじく。ドライいちじくとは違ってプチプチ感はなかった。
あの時は、ついに生のいちじくを食べたよって報告したくなっちゃって君にLINEで報告したよね。だっていちじくって私たちの中でよく上がってた話題だもん。
君と出会ってなかったら私は一生いちじくを買うことがなかっただろう。正直特別好きな味ではなかった。でも君が好きだと言っていたから、なんだか私も好きになった。──そんな気がした。
君と付き合ってなかったら、私は一生いちじくを食べる機会がなかったのかもしれない。
そう思うと、人生って面白いなと。