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自分に合った高校を選ぼう! 公立/私立のメリット・デメリット

多くの中学受験生が小学3~4年の入塾時に「公立中高一貫校」を受けるか「難関私立」を狙うのかなど、概ね方向性を決めているのに対し、中学生本人が主体となって行う高校受験では、中学3年生の秋頃にようやく志望校が確定するのが一般的です。
この時期に各学校で学校説明会等が開催されますが、「私立」「公立」のどちらを第一志望にするかで悩んだり親と意見が対立している中学生も多いようです。
昨年は「コロナ禍で志望校の学校説明会や文化祭がオンラインになり、実際の学校を見ることができないまま受験をした」という受験生も多く、今年も例年以上に高校選びには迷走を伴うことが予想されます。

目指す学校が確定しないことには、受験勉強へのエンジンがかからないのは当然のこと。今回のブログでは、志望校選びに悩む受験生とそのご家庭に向け、志望校選びのポイントと私立高校と公立高校のメリット・デメリットをご紹介します。

1.イマドキの受験校の選び方

現代の高校受験生は志望校選びにどのようなポイントを重視しているのでしょうか。特に重要だと思われるポイントをまとめました。

①自分の学力に合っている
入試を突破するには自分の学力に相当した学校を受験しなければなりません。
そして自分の学力に見合った学校に進学しなければ「高校での勉強がつまらない」または「進度が速すぎることでついていけない」「他の友達は理解していることが理解できない」という理由で勉強への意欲が失われることも多いのです。高校を中退してしまう要因にもなりかねないので、実際の学力と進学先のレベルはある程度揃えておく必要があります。

自分の学力を把握するには、学校の成績や内申書だけでなく、「偏差値」が重要な指標になります。
学校内の偏差値ではなく、県内の生徒が受験する模試を受験し県内での自分の偏差値を目安に、頑張れば合格する可能性がある「第一志望校」、今の学力で合格できそうな「安全校」、成績が爆上がりしたらいけるかもしれない「チャレンジ校」を決め、まずは「チャレンジ校」を目指して受験勉強をスタートさせるのがお勧めです!

②家からのアクセス
「高校では部活を頑張りたい」という受験生も多く、荷物の多さや体力的なことを考えると家から学校までのアクセスは学校選びの重要なポイントになります。
さらに遠い学校に通学することになると、交通費が経済的な負担になることもあります。
たとえ距離的には遠くても、電車一本で通えたり座って通学できる場合は、通学時間を睡眠や、勉強、読書などで有効に使える可能性もありますので、通学ルートや、通学に使用する電車の混み具合からの検討も必要です。

志望校が決まったらぜひ一度、通学時間帯に学校に行ってみることをお勧めします。

③教育方針や校風がよいこと
「小学校や中学校では自分の居場所を見つけることができなかったけど高校時代に一生涯の友達ができた」という大人は多いものです。
その理由としては、学力だけでなく考え方や想いが近い生徒が、同じ学校を受験し入学するからです。そして思春期の高校生たちの「想いや考え」を形成していくのが学校の「校風や教育方針」ともいえます。

学校がどのような指導を重視しているかを示す「教育方針」には、学校が学力や進学実績だけを重視せず、生徒の興味を引き出して探求させていく方針なのか、難関大学や海外大学を目指して勉強させていくという方針なのかなど、学校により大きな違いがあります。

そこで「自分にあうかどうか」「将来自分はどうなっていきたいか」を、学校の教育方針とすり合わせて学校選びをすることが必要になってきます。
文化祭や学校説明会、模試などを利用して実際に学校へ行ってみて、先輩や先生の雰囲気などを感じ「実際にそこに通っている自分」をイメージしてみましょう。

④学費があまりかからないこと
国や都道府県が実施する授業料へ支援が手厚くなっているとはいえ、高校の学費は学校選択の大きなポイントです。

◆公立高校にかかる費用
・授業料118,800円(年額)
・入学金5,650円
・受検料2,200円

◆私立高校にかかる費用平均
・授業料468,412円(年額)
・入学金253,116円
・受験料22,938円

※参考「令和3年度 都内私立高等学校(全日制)の学費の状況

さらにこれに修学旅行費や、通学定期代、学校納付金などがかかります。
私立の場合は施設充実費や寄附金がかかることもありますので、上記以外の費用も検討材料にする必要があります。
現在、各都道府県や市区町村が実施する奨学金事業、就学支援金による実質無償化、学校の特待生制度など学費とそれ以外の費用を抑える制度は多く存在します。

「私立はお金がかかるから受験ができない」と公立だけを目指すのではなく、家庭の経済状況と、こういった制度を照らし合わせて実際にかかる費用を算出してみることをお勧めします。
また、毎年公立高校では多くの不合格者が出ていますので「私立高校に進学するお金がない」という理由ですべり止めの私立高校を受験せず公立高校一校だけを受験するのは危険です。

⑤進学実績
今はまだ、将来に就きたい職業がわからない中学生がほとんどだと思いますが、得意/苦手教科や、趣味や好きなことがらから、理系・文系・芸術系など「行きたい方向」は予想がついているのではないでしょうか。
志望校の進学実績には、その学校がどのようなカリキュラムを組み、どのような教育方針なのかが反映されています。
また、高校卒業後は進学せず就職も視野に入れているようなら進学実績だけでなく「就職先」をチェックする必要もありますね。

なんとなくでも行きたい大学がある場合は志望校にその大学の「指定校推薦枠」があるか確認してみてください。大学指定校推薦は、厳しい校内選考があるなど狭き門ではありますが、他の推薦入試制度と比較しても合格率が格段に高いため、挑戦する価値は多いにあります。

⑥入りたい部活がある
中学時代に頑張っていた部活をそのまま続け高みを目指したいと考えている受験生も、高校では心機一転新たな部活動で頑張りたいという受験生もいるでしょう。
最近では、eスポーツ部など、イマドキでユニークな部活動を売りにしている高校も多くあります。

インターハイや大会、コンクールでの受賞実績などを調べ、強豪校を志望校にすることもできますが、強豪であればあるほど部員数も多く、試合に出ることができない、などの可能性もあります。
また部活がハードすぎて勉強にまで手が回らなくなってしまう、ということもあるかもしれませんので、ぜひ説明会や文化祭などの質問コーナーで入りたい部活について先輩や先生方に「実際のところ」を質問してみてください。
「高校では部活はやらない」と考えている場合は、高校によっては、学年ごとの部活動入部率を公開しているところもありますので、参考にしてみてください。

⑦施設や設備が充実している
私立と公立で一番大きな差が出てくるのが学校の施設や設備。
地方自治体が運営している公立高校では、学校ごとにそれほど施設や設備の内容に差はありませんが、校舎が新しいか、新しくないかで3年間過ごす環境は大きく変わります。
神奈川県の県立高校は、いまだ全体の62%が「旧耐震設計基準」の校舎であり、校舎等の耐震化・老朽化対策が行われている最中です。

一方で私立高校は、有名建築家の手による校舎も多く目を見張るほどの設備を持つ学校も少なくありません。
勉強に集中できる自習スペースや、広々としたカフェテリアや蔵書数の多い図書館、電子黒板やWi-Fi完備のITルームなどは、とても魅力的に映ります。

このコロナ禍では、私立・公立高校ともオンライン授業を余儀なくされましたが、生徒が一人一台端末を持ち、電子黒板などを使ってのオンライン授業が行われた私立高校と、公立高校には大きな格差がみられました。学校ごとの設備の差は、有事の際の対応の差にも大きく関わってくることが露呈してしまったとも言えます。

2.私立/公立のメリット・デメリット

第一志望校を「公立」にするか「私立」を志望するかで中学生活や受験生活は大きく異なるため、志望高校を選ぶ際にまず考えるべきは「公立高校に進学するのか」「私立高校を第一志望とするのか」です。

どちらを選ぶかで内申点の取り方も異なり、受験塾には「難関私立コース」や「公立コース」のコース設定や「難関私立受験専門塾」などもあるため塾選びの際にも重要なポイントになります。

■高校無償化になり私立と公立の垣根が低くなった!
公立と私立の大きな壁は今まで、学費やその他高校生活でかかる費用の差にありました。しかし2020年4月より、それまでは主に公立高校を対象とした授業料支援制度が見直され、私立学校も無償化の対象になりました。

正式名称「高等学校等就学支援金」は返済が不要で、年収約590万円未満の家庭は年間39万6,000円の支給対象になり、私立高校が実質無償になります。
また、要件に該当すれば「高校生等奨学給付金」が受給でき、授業料以外の費用(入学金など)も支援される可能性もあります。
そのため、今まで家庭の関係で、選択肢が公立高校のみだった受験生が、私立高校を志望校とすることも増えてきています。

公立と私立どちらを第一志望にするかを決定するための判断材料として、「受験」「費用」「学校生活」「大学受験」をポイントに、公立高校と私立高校のメリットとデメリットを一覧にまとめました。

■公立高校のメリット・デメリット

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■私立高校のメリット・デメリット

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まとめ 今年の高校受験はどうなる?

高校授業料の実質無償化が始まり、公立と私立の学費の垣根が低くなったことから、近年の私立高校の受験者は全国で増加傾向にあります。
また、このコロナ禍でのオンライン授業の実施結果なども加味し、施設や教育カリキュラムなどが整った私立高校に注目が集まっています。

さてこのコロナ禍で、首都圏の公立高校と私立高校の志望者数にはどのような変化があったのでしょうか?

■コロナ禍で早まる「志望校決め」
オンライン授業の実施状況などで、私立高校に注目が集まったにもかかわらず、首都圏私立高校の昨年度の受験者数は減少傾向にありました。
理由としては、経済的な不安だけでなくコロナ禍がもたらした学習状況の不安から、「安全志向が強まり難関私立高校の挑戦受験が減少した」ということがあるようです。
受験者数は減ったにも関わらず、推薦入試の応募者は大幅に増加しました。通常、私立高校の推薦入試は1月22日あたりに実施され、翌日には合否が確定することが多く、単願推薦の場合は公立高校の一般入試より1か月半以上早く受験を終えることになります。
「確実に、早く、受験を終えたい」という受験生や受験生家庭の焦りが、推薦入試応募者の増加につながっていると考えられます。

今年もこのような傾向が続くのではないかと予想され、志望校を公立にするのか、私立にするのかだけでなく、私立を志望にした場合は確実に単願推薦を狙うのか、公立高校を第一志望にし併願推薦にするのか、または一般で単願受験をするのか、併願受験をするのか、またはオープン入試で受験するのかなど、細かく決めていく必要があります。

12月には推薦入試に向けた私立高校の「事前相談」が行われます。今からできる限り学校説明会や文化祭などに足を運び(オンライン行事にも参加)、親子一緒に志望校選択を行い、早めに受験の方向性を確定することをお勧めします。

■自分に合う学校がみつかる「高校図鑑」
今年も高校の学校説明会や文化祭等のオープンスクールの時期が到来しました。
コロナ禍の影響で、今年も説明会の参加人数を制限したり、オンライン説明会を実施する高校が増えており、私立中学校のイベント同様、人気の学校は予約開始から数分で定員が埋まってしまうという現象が起きているようです。
予約争奪戦に敗れて志望校に足を運ぶチャンスが得られなかった時は、学校HPや学校情報サイトで学校の情報を確認することが必要です。
弊社サイト高校図鑑では「イマドキの受験校の選び方」に記した学校選びの重要ポイントにある項目の情報をほぼ網羅しています。さらに高校によっては、高校選びの大切な要素である「学校の制服」も、ディティールまで細かく描かれたかわいいイラストで紹介。
ぜひ、高校図鑑を活用して、自分にピッタリ合った志望校選びをしてくださいね!


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