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共働き家庭の中学受験はデメリットばかりじゃない! 無事に乗り越えるコツ

 いよいよ中学受験の本番まで残り100日ほどになりました。大手塾に通う6年生のお子さんは週5~6の塾通い生活にもだんだん慣れてきたことでしょう。
サピックスなど、中学受験塾によってはお弁当が必要なのは日曜か土曜だけ、というところもありますが、日能研・四谷大塚・早稲田アカデミーといった大手塾では、授業の合間の15~30分の休憩時間に夕食がわりに食べるお弁当、いわゆる「塾弁」が必要です。
多く中学受験生家庭にとって毎日のように必要なっている「塾弁」は大きな負担になっているのではないでしょうか。

特にフルタイムの共働き家庭にとって、この「塾弁」や、授業終了後の補習などで遅くなる子どもの送迎などの負荷は大きく、塾選びの際の大きなポイントにもなっています。
カリキュラム等が気に入っても「塾弁」や送迎が必要だから、ということで入塾を諦める家庭も少なくありません。
このブログでは、「共働きの中学受験が本当に不利なのか」を先輩保護者の意見から考察、そして共働き家庭が中学受験を乗り越えるコツをご紹介します。

1.共働きだと中学受験は不利になる?

中学受験塾を検討する際に、塾の「面倒見のよさ」を塾選びのポイントにするご家庭も多い事でしょう。しかし、進学実績の良い多くの大手塾では子ども一人ひとりの「出来ないところ」をサポートしたり、親が望んでいるようなメンタルトレーニングやモチベーションアップをしてくれるところはほぼないと言ってもいいかもしれません。
大手塾はあくまでも「中学受験に必要な勉強を教える」場所であり、多くの生徒を抱え忙しい塾の先生には個々の悩みに応える余裕は無く、
「子どもの苦手を洗い出して強化する体制づくり」や「子どもをやる気にさせるサポート」「子どもの勉強や中学受験のスケジュール管理」は親の役目になります。

■共働き家庭の子どもは専業主婦家庭の子どもより成績が悪い?
2017年度に文部科学省が実施した『全国学力・学習状況調査』「保護者アンケート」(対象は無作為に抽出された公立学校における本体調査を受けた児童生徒と、その保護者)によると、母親が就業していない=専業主婦の家庭の子どもが最も成績がよい、という結果が出ました。

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一方でこの調査の「父親の帰宅時間と子どもの学力との関係」アンケートでは、
父親の帰宅時間が選択肢の中で一番遅い「22時以降(早朝帰宅を含む)」の家庭の子どもの学力が最も高い、という結果が出ています。
この結果からは、「父親が遅くまで働き(経済的に余裕がある)、母親が専業主婦(時間的余裕がある)」の家庭が、中学受験にも有利な環境であるということが言えます。
ただでさえ忙しい共働き家庭にとって、子供の勉強のサポートにかける時間的余裕はどうしても少なくなってしまうため、この結果は想像の範囲だといえるでしょう。

しかし、だからと言って「(特にフルタイムの)共働き家庭」が中学受験に適していない、ということはいえません。
中学受験が佳境に入ってもフルタイムでバリバリと働き、時間の無い中で子どもの学習管理・塾との連絡を効率的に行い、子どもの苦手を把握し分析して鮮やかに解決策をみつけていく、そんな賢い「働くお母さん」ブロガーやインスタグラマーがネット上にはたくさんいらっしゃいます。
そして子どもは第一志望に合格するなど、見事に中学受験を終えられているご家庭も多いのです。

共働きで中学受験に挑むメリットやコツは、どういったところなのでしょうか。

■専業主婦の中学受験の意外なデメリットと、共働き家庭のメリット
確かに、時間的に余裕のある専業主婦家庭は中学受験に有利な点が多いかもしれません。
しかしこのコロナ禍により、一層子どもと接する時間が多くなることで起きる親子喧嘩や、中学受験について考えたり調べたりする時間がたくさんあるため情報過多に陥り、他の受験家庭と比較して落ち込む……といったデメリットも考えられます。

一方で共働き家庭は時間が限られているため周りの受験生家庭の噂が耳に入ってくることも少なく、余計な雑音に悩まされることが専業主婦家庭と比較して多くありません。
また、時間を有効に使うスキルや概念がしっかりしているので「子どもと喧嘩している暇はない」と、子どもとの接し方にも工夫をしているように感じます。
そして子ども自身も、仕事が忙しい中、自分を懸命にサポートする親の背中をみて自然と自立心を育み、成長していくのではないでしょうか。
また、バリバリ働くお母さんの中にはマネジメントに長けている方が多いので、パソコンやスマホのスキルや仕事で培った情報収集能力を、子どもの中学受験にも存分に発揮しているようです。

専業主婦家庭の中学受験は母親の単独プレイになりがちですが、同じように忙しく働く夫を「中学受験プロジェクトのメンバー」として上手く巻き込み、夫婦でチームとなって子どもをサポートしているのも、共働き家庭の中学受験の特徴だといえます。

2.共働きの中学受験 こんなことに悩んでこう乗り越えた

中学受験を考える、低学年のお子さんをお持ちの共働き家庭や、専業主婦のままでは経済的に塾費用の捻出が難しいと考える家庭は、
「本当に共働きで、中学受験できるのかしら?」と悩んでいるのではないでしょうか。

そこで、共働きで中学受験を経験したご家庭がどんなことに悩みながら、どのように乗り越えたかを紹介いたします。

■こんなことに悩んだ

《送迎》
・通塾中のトラブルや事故を毎日心配していた。もし子どもがトラブルに巻き込まれても、自分はすぐには動くことができないので…...。
・送迎が大変だった。仕事が終わらず子どもを迎えに行くことができず、子どもを塾で一人遅くまで待たせることも。
《塾弁づくり》
・毎日のように必要な塾弁作りに苦労した。早朝、仕事に行く前にお弁当を作り冷蔵庫に入れていた。
・毎日コンビニなどで塾弁を購入させていた。他の子は手作りのお弁当をもってきていたので子どもが不憫だった。
・お弁当を持たせられない日は、仕事を一時抜け出して塾に買ったお弁当を届けていた。
・塾弁に加え、塾に行かない兄弟の分の夕食作りもあり、ごはんづくりは本当に大変だった。
《イベント参加》
・平日開催の塾の保護者会や志望校の学校説明会に参加するために仕事を調整するのが大変だった。
・土日開催の会は競争率が高く、予約が取れないことが多かった。
《スケジュール・勉強の管理》
・学習スケジュールを組むのが大変だった。
・学習や過去問の進捗管理、膨大な量のテキスト整理をする時間が無く悩んだ。

■こう乗り越えた

《送迎》
・残業でお迎えできない時は、同じ塾に通っている近所のママ友にお迎えをお願いするなどしていた。お互いにサポートしあえるような人間関係作りを意識した。
・仕事をしていて送迎ができないと考えて、繁華街にあるような塾は避け、小学生が夜1人で歩いて通いやすい、駅や自宅から近くの塾を選んだ。
《塾弁づくり》
・手作りの塾弁をもたせることは諦めた。子どもは「塾弁を食べる時間はほぼなくてかきこんで食べる感じだから、簡単に食べられるコンビニのおにぎりやサンドイッチなんかちょうどいいんだよ」と言っていた。
・子どもは塾ではコンビニで買った簡単なスナックで小腹を満たし、家族そろって遅い夕食を取る時間を設けた。塾や学校での出来事や、勉強の進捗などを聴ける貴重な時間だった。
・某塾は、平日の塾弁がない代わりに膨大なテキスト管理や勉強の管理が大変だと聞いていた。結局塾弁のないその塾に入ったが、正解だったと思う。《イベント参加》
・子どもの中学受験を経験した上司は理解があり、塾や志望校のイベントで快く半休をとらせてくれた。そうでない場合は同僚に業務をお願いして有休をとったりした。いずれにせよ、子どもが中学受験をすることを秘密にせず、苦労話などを自己開示しておくことが必要だと感じた。
・平日有休をとることができなかったので、土日開催のイベントを必ず取ることができるよう、夫婦そろって数台の端末を準備して必死に予約した。《スケジュール・勉強の管理》
・週末に、週単位で夫と子どもで勉強のスケジュールをエクセルで作成。出勤前にその日にやることを親子でチェックした。
・スマホのアプリやカレンダーを家族で共有してスケジュール管理をした。
・勉強や過去問を見る時間はなかったので、6年の後半から家庭教師を併用し、過去問の管理や苦手の洗い出しや強化を全てお任せした。

3.6年生の共働き家庭が、残りの中学受験を乗り切るには…

6年生の夏前位までは共働き家庭でもなんとかできていた子どものサポートも、中学受験スケジュールが過密になる夏期講習~夏期講習明けになると夫婦で頑張っても対処できないことが多くなってきます。
6年生の秋頃から始まる過去問のスケジュール管理や、中学受験の総範囲から子どもの苦手を洗い出しすることは必要不可欠になりますが、時間のない共働き家庭にとってはとても頭の痛い課題です。

親子で過去問の進行スケジュールと点数管理表を作成し子ども一人でやらせていた結果、最初から合格ラインを余裕で超えていて不審に思い確認したところ、答えを観ながらやっていたことが判明した、という話もよく聞きます。
6年生にとって、「この時期に過去問が合格ラインにほど遠い」という事実が一番怖い為、点数をごまかしてしまう子どもが続出するのです。
市販の過去問には過去3年ほどの入試問題しか掲載されていないため、たとえ1年分であっても無駄にすることはできません。
そして、一度答えをみながら解いてしまった過去問を、繰り返しやることは全く意味が無いのです。

過去問をめぐる親子喧嘩はこの時期頻発しますが、今、無駄な喧嘩をすることはなんとか避けたいものです。
そこで共働き家庭にお勧めなのが、家庭学習や過去問管理を「家庭教師」「個別指導」「オンライン塾」にアウトソーシングするという手段です。

■家庭教師や個別指導塾との併用
大手塾に通いながら難関校を目指す子どもたちの中には、5年生の2月頃から「家庭教師」や「個別指導塾」を併用する家庭も。
「家庭教師」を探す場合、単に最終学歴から探すのはNGです。中学受験の勉強は特殊なので必ず中学受験を経験した先生を選ぶようにしましょう。
特に、志望校出身の先生に家庭教師を御願いできれば、過去問対策にも効果的です。さらに、中学校時代の話などを休憩時間にしていただくことで、子どものモチベーションアップにもつながりますね。

家庭教師の探し方は、
・知り合いの大学生などに御願いする
・家庭教師派遣会社に問い合わせる
・「家庭教師マッチングサイト」で探す
・直接近くの大学に問い合わせ「家庭教師募集」の求人票を掲示してもらう

などがあります。
いずれの探し方でも「体験授業」を設けてもらいそこに親も同席して、教え方や子どもとの相性などを確認する必要があります。

また、私立中学受験対応の「個別指導塾」を併用する方法もあります。
通っている塾に準拠した個別指導塾や、志望校に多くの合格実績がある塾を選びましょう。入塾前の面談でしっかりと現在の学習の悩みや志望校などの話をし、納得できる塾を探してください。
大手塾の中には自習室がない塾もありますが、個別指導塾の多くは自習室を設けていますのでチューター等、先生の目の届く中で過去問を解くことができます。
「チューターのいる自習室が利用できる」というのも、共働きの家庭の中学受験にとっては大きなメリットになります。

こちらも一度授業に同席し、プロの教え方やマネジメント方法を吸収してお子さんのサポートに活用してください。

■おすすめはオンラインの個別指導塾や家庭教師
忙しい中学受験生や時間的余裕のない共働き家庭に一番推奨したいのが、「オンライン個別指導塾・オンライン家庭教師」との併用です。

訪問型の家庭教師の場合、親は必ず在宅していなければならないので、平日にお願いするのは難しいでしょう。週末限定にしてしまうと、先生の選択肢も限られてしまいます。
「オンライン塾・オンライン家庭教師」の場合、環境が整っていれば親が在宅していなくても子どもだけで受講することができます。
また、学校や塾の通学で疲れている子どもにとって、「追加で個別指導塾に通うこと」は体力的にも難しいかもしれません。オンラインであれば家に居ながら塾講師や家庭教師の指導が受けられる為、子どもの身体的負担は軽減されます。

さらに、「オンライン塾・オンライン家庭教師」は、訪問型の家庭教師や個別指導塾と比較しても授業料が安いのがポイントです。
また、訪問型の家庭教師をお願いするとなれば、先生の交通費も負担する必要がありますし、個別指導塾への通学にも交通費が必要です。そういった経費が必要ないのもいいですね。

「株式会社ファルボ」は、まもなくオンライン家庭教師マッチングサイト「家庭教師図鑑」をリリースします。
条件を細かく指定し、お子さんのタイプや志望校にピッタリあった先生を探すことができるサイトですので是非先生探しに活用してください。

いずれの方法も、塾の出費とあわせると経済的な負担は大きくなりますが、共働き家庭が残りの中学受験を出来るだけストレスなく乗り越えるために、
過去問対策や受験間際の追い込み時など一定の期間だけ費用対効果を考えながらアウトソーシングするというのは、有効な手段ではないでしょうか。

■出願や受験日当日の付き添い、入学手続きなどは早めに計画を!
12月になると出願がはじまり、1月校の試験当日の付き添い、2月1日からの試験本番の付き添いや合格発表、入学手続きなど、平日に学校まで足を運ばなければならない日が続きます。受験期間は共働き家庭も、4~6日間程度仕事を休むことが必要になってきます。

併願校の出願・合格発表・手続き・付き添いと、時間刻みで動く必要がある場合、一人では対処できないケースもでてきますので、ここはぜひ、夫婦そろって仕事を休むことを検討してみてください。

その為にはしっかりとスケジュールを組み家族で共有すること、そして、お互いの会社に早めにその旨を伝え、同僚を巻き込んで協力してもらうことも必要になってきます。
共働き家庭は特に、早め早めに綿密な計画を練ることがお勧めです。
受験準備に必要なことはこちらをご覧ください。

まとめ

6年生の中学受験生を子どもに持つ私の場合は、子どもが中学受験を始めたことをきっかけに、専業主婦から働き始めました。我が家の教育方針にとっては、働いていてよかったことの方が多いと思っています。

理由は以下の3つ。
・「子どもへの過干渉が減ったこと」(自分の仕事が手一杯で子どもに過度に干渉する時間的余裕がないため)
・「子どもの気持ちが分かるようになったこと」(仕事での失敗などを経験し、子どもにやる気が無かったりサボりたくなる気持ちを共感し合えるように)
・「子どもの自立心が成長したこと」(子どもが「自身の意思で受験すること」を強く意識できるように)

もし働いていなかったら、子どもの成績に一喜一憂し、子どもを追い詰めてしまったり、自分のサポート不足を責めたり、母親の「狂気」になっていたかもしれません。
働きながらの過去問対策や勉強スケジュール管理では悩みもありましたが、今は個別指導塾の先生に管理をアウトソーシングするようになり、だいぶ楽になりました。

「共働き家庭」も「専業主婦家庭」も、子どもを想う気持ちは一緒です。
6年生の受験生生活は残すところ100日あまりとなりましたが、「狂気」に陥らずに「子どものためにはどうすればいいのか」を第一に考え、
工夫しながら乗り越えていきたいものです。

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