【初級編】「自分はなぜ、やる気が出ない?」が分かる①~概要~
「自分はなぜ、やる気が出ない?」
さて、今回は「やる気」に着目して、シリーズで記事を書いていこうと思います。
突然ですが、皆さんはやる気って出る方ですか?笑
私が勉強法の相談を受けていたとき、「どうやったらやる気が出ますか?」
という質問をよく受けました。
というわけで、今回はやる気が出ない理由や対策について掘り下げていこうと思います。
教育学においては、やる気は「達成動機づけ」と呼ばれますが、
この達成動機づけに関連する考え方をいくつか紹介していきますので、
ぜひ自分に当てはまるものを探してみてください。
教育学における「やる気」の考え方
さて、ここで教育学における「やる気」の考え方について、少しまとめてみます。
「期待ー価値モデル」
まず有名なものは、「期待ー価値モデル」ですね。
アトキンソンやリトウィンの実験がそうです。
彼らによると、成功に向けて頑張ろうとする動機づけの強さは、
その人のもつ達成動機の強さと成功の見込み(期待)、成功することの価値によって決まります。
動機づけ理論の有名なモデルではありますが、個人的には曖昧な部分の多いモデルだと感じるので、
教育学・教育心理学に興味ある方だけ知っておけばよいモデルだと思います。
「学習性無力感」や「内的ー外的統制」
「期待ー価値モデル」では、達成動機の強さが重要と主張されますが、
一方で、達成動機の強さよりも、人のものの考え方が、実際に頑張れるかどうかを決定しているのだ、
という主張が現れます。
セリグマンの「学習性無力感」や、ロッターの「内的ー外的統制」などがそうです。
彼らは、自分の行動によって結果を左右できるという信念(統制感)が重要だと考えました。
原因帰属
成功や失敗をどのような原因に帰属させるのかを、原因帰属と呼びます。
ワイナーや樋口らの研究によれば、成績の良し悪しについての原因の考え方が、
実際の成績の違いを生むとされます。
また、失敗した原因を能力不足だと考えるのではなく、努力不足だと考えることが、
動機づけの観点から重要だと主張します。
しかし、現実には、保護者や教師が努力の重要性を強調しているにもかかわらず、
勉強意欲が上がらず、無気力になっている生徒がいますよね。
その理由について、「割引原理」や「セルフハンディキャッピング」などの考え方を用いて
説明していきます。
内発的動機づけ
最後は「内発的動機づけ」ですね。
報酬を与えることが、行動への動機づけを高めると一般に考えられますが、
ときには報酬を与えることで、かえって動機づけが低下することがあります。
どうしてそのようなことが起こるのかを、「人はなぜ、ある行動するのか」という観点から
考えていきます。
まとめ
というわけで、今回は「達成動機づけ」に関する概要を書いてみました。
教育学において、様々な考え方があるということが分かりましたね。
次回以降で、一つ一つの考え方をより詳しく見ていきましょう。
参考文献
「やさしい教育心理学 第五版」
著者:鎌原雅彦・竹綱誠一郎
出版:有斐閣アルマ
「学習意欲の理論ー動機づけの教育心理学」
著者:鹿毛雅治
出版:金子書房
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