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学校の失敗は「目的置換」が9割
学校教育の現場にも、「失敗の傾向」があります。
若いうちからこれをよく分かっていれば、大きく道を踏み外してしまうことはありません。
その傾向の最たるものが、「目的置換」です。
目的置換とは、『誤って「手段」が「目的」に置き換わってしまうこと』を言います。
具体的に、現場で見られる例をあげてみましょう。
「体育祭」や「合唱コンクール」のような行事では、それぞれのクラスが互いに練習の成果を競います。
このとき、熱心なクラス担任の先生が「絶対に勝て!負けることは許さない!」とヒートアップ。
そこまで露骨な伝え方ではないにせよ、これに近いメッセージを生徒が受け取ってしまうことも、教育現場ではしばしば起こる話なのです。
このような指導は、教育上はおそらく失敗です。
ここに、「目的置換」が見られることにお気づきでしょうか?
この手の行事では、「競うこと」「勝利(を目指すこと)」は手段であって、「目的」ではないのです。
生徒にとっては「勝利」が目的になる場面はありますが、教師にとっては常に「生徒の成長」が目的にならねばなりません。
競うこと、勝利を目指すこと、という「手段」を通して、
集団が一つの目標に向かって協力し合う経験を積んだり、クラスや学年を越えた交流を促す、等といった「目的」を果たそうとする、
そういう教育活動であることを忘れてはならないのです。
学校現場では、あらゆる場面でこうした「目的置換」が教育の本来の目的から私たちの目を逸らせます。
ですから私たちは、仕事の全体を通して常に立ち返ることのできる、「何を目的にして教育をするか」という教育指針を行動原理として持っていなくてはならないことになります。
その中身についても、今後少しずつお示ししたいと思っていますが、今回はここまで。
お読みいただき、ありがとうございました。