【温泉に行った】伊香保温泉
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■川越で落語
1/28(日)川越のやまぶき会館で落語会があった。
やまぶき寄席。
出演は柳家三三、三遊亭萬橘、そして桧山うめ吉。
家から川越は日帰りの距離である。
けれど今回はスーパーホテルに一泊した。
当初は次の日に小江戸観光をして帰るつもりだった。
が、やはり温泉に入りたい!
無理やり伊香保行きをくっつけた。
ちなみに三三師匠はこの日、午前中は相模原市、午後は川越市、夜は池袋、というハードスケジュールだったらしい。
タフである。
しかも、池袋では「芝のたらい」という自作の新作を演ったそうである。
聞きたかった!!
さて、1/29(月)は軽く川越散歩。
そして何故だがスペシャリテコーヒー豆の店が多い川越。
スペシャリテではないけれど、山下珈琲のCafeBrickで一息ついて、伊香保に向かう。
■伊香保ふたたび
伊香保温泉も昔来たことがある。
石段街から冠雪の山々を見渡した感動はよく覚えている。
他は忘れた。
いつ訪ねたかもはっきりしない。
なのに帰りのバスでふと見覚えのある景色に気づいて、
「ここ知ってる!」
と腰を浮かす。
そこを見た時の気持ちまでありありと蘇る。
何てことない風景なのに。
人の記憶はまことに謎である。
いや、行きの話である。
渋川駅からのバスを伊香保石段街まで乗ってしまう。
そして100段以上昇ってから気づく。
旅館はこっちじゃない……
頼むぜ。
Googleマップの命ずるままに山を下る。
バス停三つ分ほど降りた。
途中で間違って早めにバスを降りてしまった女子二人がゼイゼイと登って来るのとすれ違う。
お気持ちお察し致します。
宿泊は夕食抜き朝食のみ。
お手頃価格のお宿を選んだ。
夕食には川越でパンや団子を買って来た。
暖房のよく効いた暖かい部屋だった。
そして女将さんは元気で愉快な老マダム。
温泉は二十四時間入浴可能である。
よし!
安心して外湯に繰り出す。
伊香保温泉の泉質は二つ。
黄金の湯&白銀の湯。
黄金の湯は、カルシウム・ナトリウム-硫酸塩泉、炭酸水素塩泉、塩化物泉。
白銀の湯は、メタケイ酸単純温泉。
平成になってから発見されたそうである。
すると私が前に行った時はあったのか?
多分行ったのは平成だろうから、あったのだろうなあ。
最近になって某温泉で自分は塩化物泉に弱いらしいと知った。
入浴後にわかに肌がピリピリして来て、あわてて真水で洗ったりしたのだ。
だから「塩」の字が入ってる温泉にはおっかなびっくり入る。
黄金の湯館。
塩化物泉……ダイジョブかお肌?
よくわかんないけど、あまり長湯しないで出る。
上がる時に真水のお湯で顔も身体も洗い流す。
温泉の効能を洗い流す、お勧めできない入浴法。
そして、ふくぜん。
こちらは白銀湯、塩の字がないので安心して入る。
帰ってからお宿の温泉にも浸かる。
こちらも白金の湯である。
無味無臭の柔らかなお湯にのんびり浸かる。
■最終日の外湯
問題は翌日の外湯巡りだった。
ホテルの立ち寄り湯は泊り客のチェックアウト後、昼過ぎが多い。
けれど私は帰りの電車に乗るために昼には伊香保を離れたい。
その上、なるべく白銀の湯がいい。
となれば……なかなか限られる。
大江戸温泉物語伊香保なら、黄金と白銀の両方があるらしい。
しかも10:00から開始である。
よし!
では明日は大江戸温泉物語伊香保に直行だ。
そして1/30(火)もちろんお宿の朝湯をいただく。
朝食もいただく。
小鉢の納豆を手に持って、かき回しているうち滑って畳に投げ出すというアクシデントあり。
しっかりしろ自分!
雑巾で辺りを拭いて、新たな納豆もいただいて、何とか朝食を終える。
お宿をチェックアウト。
来た時に下った道をまた登って行く。
石段街脇の大江戸温泉物語伊香保に着く頃には、汗で服がびっしょりだった。
9:54 現地到着。
受付にて、
「外湯は10:00までなので、あと6分しかありませんが?」
と言われる。
〝10時から〟ではなく〝10時まで〟なのだった。
だから、しっかりしろ自分!!
他に午前中からやっている外湯は、石段の湯しかない。
黄金の湯だが、もう致し方ない。
また汗をかきながら石段の湯に到着。
カルシウム・ナトリウム-硫酸塩・炭酸水素塩・塩化物温泉(中性低張性温泉)
どうだろう?
汗をかいた身体に柔らかい。
特に刺激は感じない。
ゆったり浸かって、それでもシャワーで身体を流して上がる。
この分なら塩化物泉も大丈夫かも……
希望がほの見える。
ここは思いの外良かった。
二階に畳の休憩室もあるのだ。
足を伸ばしてコーヒー牛乳をいただく。
景色もなかなかよろしい。
最後に、早い昼食としてうどんを食べて帰ろうと石段街を上って行くと……
仕方がない。
昼食なしで雑貨屋でも覗いて帰ろう。
と思ったのだが、妙に静かである。
昨日間違えて石段を上った時は観光客が大勢いたのに。
今日は人影が少ない。
気がつくと耳がきーんとする程に静かである。
店も殆ど休んであるのだった。
店を探して仕方なく(すみません)頂上の伊香保神社にお参りする。
石段を下って来ると、上がり端の小さな店が開いている。
何やらいい匂いもする。
もち豚のカツカレーが名物とな?
いや。
そんなにヘビーな物は食べられない。
でも思わず店に入ってしまう。
天ざるを注文。
今風にシャレている店ではない。
しかも小さい。
でも妙に居心地がいいのだった。
天ざるを食べていると、テレビ局の人が一人でやって来た。
何とかマンデーという番組がこの店のそばを紹介するらしい。
「群馬県産そば粉を使った手打ちそばが絶品!」
といったナレーションで問題がないか、などと話している。
そうか!
これはそういう蕎麦だったのか!
と思いながらズバズバ啜る。
帰りのバスの時間が迫っていたのだ。
10分程で蕎麦を飲んで店を飛び出す。
無事にバスに乗れた。
そして電車に乗り帰還する。
川越市は埼玉県。
伊香保温泉は群馬県。
帰り来たのは千葉県。
二泊三日の旅だった。
どっとはらい。