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【温泉に行った】野沢温泉ふたたび

一日目

11/3(金)文化の日から土日にかけて三連休である。
混雑をさけて連休最終日11/5(日)に出立する。

実はそれが失敗だったと気づくのは後になってからである。

北陸新幹線の自由席は余裕で座れた。
飯山駅からは直通バスで野沢温泉へ向かう。

バスの待ち時間に飯山駅の観光案内所を歩く。
併設した登山用具店を見て思い出す。

そうだそうだ。
畦地梅太郎の手拭いを購入したのは、この店だった。

使い込んでクタクタの手拭い

野沢温泉も二度目の来訪である。
以前入れなかった外湯をコンプリートしよう!

などという野望は抱かない。
何せヤッホー高血圧の身である。
幸い血圧は落ち着いているものの、自粛と摂生の湯治旅なのだ。

宿の食事も夕食なし。
二泊三日、朝食のみで申し込んでいる。
血圧計だって持参したぞ!

そしてもうひとつ。
今回は猫のいる旅館である。
猫を愛でれば血圧も下がろうぞ。

三毛猫の案内係 キナコ

いざ到着すると人間の客室係と共に猫も部屋にやって来る。
何だか落ち着かない。
宿の説明を聞いている間も猫がうろうろ室内を歩き回る。

ロシアン色のアズキうろうろ
水を飲む指名手配犯ムギ

ましてどういうわけか指名手配犯が嬉しげに部屋を訪れるのだ。

指名手配書

何かとお下がゆるく、客室の布団で粗相をしがちな猫だという。
部屋に来たらすぐ廊下に追い出してくれと言われている。

なのにさっそく洗面台でちょっと用を足している。
おいおい!
洗面台を水で流していると蛇口から飲みたがるし。
こらこら!

でも、せっかく来てくれたのを無碍に追い出すのも何だし……
いやいやいや!

「子供が可愛いのは我が子だけ。よその子供はうるさいだけ」
なんてよく人間の親が言う。
猫だってそうである。
可愛いのはうちの子たけだ。

こちとら「猫なら何でも可愛い!」なんて博愛主義者ではないのだ。
こんなおちっこタレ、可愛くなんかないやい!

とにかく外に出てランチにしよう。

時間は既に飲食店の休憩時間に入っている。
数少ない営業中の店は、こういう店だった。

ばんばん「いちご白書をもう一度」
ピンクレディー「ペッパー警部」
懐かし過ぎる
固いプリンが美味

濃ゆい……。
温泉街には何故かこういう若旦那が趣味に走ったような店が必ず一軒はある。

てか、今回のお宿だって若旦那か若女将が猫趣味に走った結果じゃないの?
夫婦どちらの趣味かは知れないが。

ともあれ腹を満たしたら、いざ外湯!

松葉の湯
十王堂の湯
含石膏-食塩・硫黄泉

どちらも硫黄臭はかすかだが、好みの湯である。
じっくり浸かりたいところだが自粛旅である。
100まで数えて出るようにした。

松葉の湯
アルカリ性単純硫黄温泉

そして夕食用に野沢菜おやき一個を買い、お宿に帰るのだった。

■二日目

翌11/6(月)朝食はバイキングだった。
高血圧の禁忌、塩分が少ない物を選んで料理を取る。

腹ごしらえをして、いざ外湯巡りに出立。

猫客室係が外を見張っている

前回の旅では、温泉街から遠い中尾の湯や新田の湯には行けなかった。
なので、まずはそちらを目指す。

ぶらぶら歩いて辿り着いたのは上寺湯である。
って、どこだここは?
方向音痴絶好調である。

とりあえず本日の第一湯。

上寺湯

そして野沢温泉村役場まで下る。
ここには岡本太郎の乙女像がある。

乙女!

長野県は岡本太郎に縁が深い。
諏訪の万治の石仏を世に知らしめたのも岡本太郎だし、巻頭写真の野沢温泉の文字デザインも岡本太郎だし……
ええと、詳しくはググってください。

さて。
三連休明けが旅行者に鬼門と知るのはこれからである。

今更だけど、野沢温泉には〝十二神将外湯めぐり〟と称する十二軒の外湯がある。

そのうち昨日と今日で見て歩いた外湯は十一軒。 
実際に入湯できたのは五軒だけである。
昨日が二軒、今日が三軒で計五軒。

村役場から迷いながら中尾の湯に辿り着いたところ、屋根の工事中だった。

屋根工事直前の中尾の湯

三十分程で終わるとのことなので、先に新田の湯に入ることにする。
が、何と!

新田の湯 外観
中には入れなかった
野沢菜洗いのため入浴不可

何、野沢菜洗いって?
その後訪れた麻釜の湯では、お菜洗いは11/8(水)とのことである。
だから何なのそれ?

麻釜湯の貼り出し

後で宿の女将さんに聞いたところ……

この地では水はとてつもなく冷たいので、外湯のお湯で野沢菜漬けの菜っ葉を洗うのだそうだ。
立冬の頃、一斉に洗い始める年に一度の行事である。
それに出くわすなんぞ一体私は運がいいのか悪いのか?

麻釜湯 

この日はまだ麻釜湯は入湯可能だった。
誰もいない浴場のやたらに熱い湯を、水で薄めに薄めて意地でも入る。

そうして昼食をとり、いったん宿に帰る。
歩いたわりには入れたのはニ湯だけである。

昼食

宿で少し休んで午後からまた出動。
河原湯に向かう。
さすがに今度は迷わず辿り着く。

河原湯

河原湯は何故かお肌がピリピリするような気がする。
なので100まで数えずに、そそくさと出てしまう。

泉質は他の湯と同じようだし、入浴し過ぎで肌が疲れたのか?
確かめるには別の湯に入るしかない。 
と、思ったのだが……

河原湯は単純硫黄泉

昨日見かけて今日入ろうと思っていた大湯は、足場を組んで何やら工事を始めていた。 

大湯は工事が始まっていた

事ここに至ってようやく気づく。

三連休明けの観光地は空いている。
となりゃ迎える側はメンテナンスに入るに決まってる!
なのにわざわざやって来る私!

この迂闊者めが!!

すごすごとお宿に帰って浴場に向かう。
本館、別館と建物は入り組んでいる(ような気がする)。
室内でも方向音痴ぶりを発揮する。

ともかく入湯。
柔らかく良い湯である。

桐屋旅館 女湯

さっき河原湯で肌がピリピリしたのは体調ではなく、やはり湯のせいらしかった。

温泉好きとか言いながら、私は泉質による違いがはっきりわからない。
けど何とな〜く違和感を感じることはある。

野沢温泉パンフレットによれば、それぞれの泉質は、
(十二神将湯めぐりパンフとはビミョーに違うけど)

〇含石膏-食塩・硫黄泉
 十王堂の湯、中尾の湯、松葉の湯、横落の湯、滝の湯、上寺湯
〇含芒硝-食塩・硫黄泉
 麻釜の湯、新田の湯、秋葉の湯、
〇単純硫黄泉
 真湯、大湯、河原湯、
(ちなみに桐屋旅館も単純硫黄泉)
とのことである。

そのうち私が巡った五軒は、
〇含石膏-食塩・硫黄泉⇒ 十王堂の湯、松葉の湯、上寺湯
〇含芒硝-食塩・硫黄泉⇒ 麻釜の湯
〇単純硫黄泉⇒ 河原湯
あっ! 
な~るほど!

河原湯だけが単純硫黄泉で違和感を感じたのね。
いや、待て。

旅館のお湯も単純硫黄泉ではないか。
そのわりには河原湯とはかなり違って感じられたが?
う~む。

同じ単純硫黄泉でも含まれてる物質がビミョーに異なるのかしら?
少なくとも河原湯のようなピリピリ感は、お宿の湯にはなかった。
むしろゆったりまろやかな感覚だった。

……謎だ。
にわか温泉マイスターには解きがたい謎である。

どうも一ミリも参考にならない温泉記で申し訳ない。

②に続く⇒
【温泉に行った】野沢温泉ふたたび② | 記事編集 | note



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