バーチャルオフィス導入する前に知っておいた方がいいこと。
こんにちは。エディnote!編集部の堀田です。
エディマートでは2月よりバーチャルオフィスを導入しました。
今のところ社員の評判は上々で、「コミュニケーションが捗る!」とみんな前向きに活用してくれている様子。ちょっとした確認や質問をシームレスに行えるため、生産性の向上につながったと実感しています。
しかし、それはあくまでエディマートの場合です!
試験的に導入していた段階から、「これ、企業やチームの性格によってはうまく機能しないかも」と感じることもしばしば。
バーチャルオフィスの導入を検討している、もしくは気になっている方のために、「知っておいた方がいいこと」をまとめておきたいと思います。
1.はじめに自己紹介
まずは、エディマートの自己紹介を簡単にしますね。
現在はほとんどのスタッフがテレワーク勤務をしており、基本的には個人の自由選択制にしています。
(Teamsの「シフト」を使って、1週間の社内勤務人数を調整している感じです)
女性主体の会社で、普段からコミュニケーションは良好。バーチャルオフィス導入前までは、社内間のやり取りはTeams上のテキスト、ビデオ会議がメインでした。
2.なぜ、バーチャルオフィスを導入することになったのか
エディマートの場合、テレワーク時のコミュニケーションについて顕在的な課題はありませんでした。
あえて挙げるとしたら以下でしょうか。
こんな感じで、もともとテレワークにおける業務的支障は感じてなかったんですね。基本的にチームを組んで仕事することに慣れているので、組織としての連携はできている方だと思います。
それなのになぜバーチャルオフィスを導入したかと言うと、「おもしろそう!」と感じたからです。「課題解決」というより、「みんなが楽しんでくれたらいいな♪」という目的が大きかったですね。
3.バーチャルオフィスの比較にあたって
導入前にいくつかのツールを検討した結果、エディマートはoViceというサービスを採用しました。バーチャルオフィス比較のポイントは、以下を軸にすると選びやすいと思います。
ひとつずつ、ポイントを解説していきますね。
■UX/UI
今回、サービスを選ぶ際にいちばん重要視したポイントです。
◎デザインが会社のカラーにマッチしているか(UI)
◎直感的に使ってもらえるか(UX)
バーチャルオフィスのサービスはすでにたくさん選択肢があり、「バーチャルオフィス 比較」とかで検索すると「比較10選!」とか平気で出てきます。正直、「選ぶのめんどくさいよ〜」って感じです。
なので、まず比較記事をざっと流し読みして「うちの会社っぽい!」と思うものをある程度厳選しました。「デザインが会社の雰囲気に似ている=毎日使ってもストレスにならない」ということですからね。
そして、「直感的に使えるかどうか」という点。各サービスのHPを見ると、ほぼ必ず「デモ体験」という機能があります。これ、めんどくさがらずにやってみてください。私の場合は5分くらいさわってみて「…よく分からん」となったら検討外に回しました。
デザインにしっくりきてないと会社になじまないですし、操作性が難解だとメンバーへの説明に時間がかかってしまいます。なので、「うちの社員たち、楽しんで使ってくれるかな〜」という感じで探すと良いと思います。
■コスト
料金体系は多くは以下の2パターンに分かれます。
「スペース制」は場所(オフィス)の広さによって金額が変わってくる感じですね(←これ、大事なので後で詳しく解説します)。またサービスによっては、「初期費用」「最低利用人数」などの条件が追加で発生したりします。
■画面共有やテレビ会議などの機能
どのサービスも「画面共有」「テレビ会議」「チャット」といった最低限の機能は備わっています。その他として、「セキュリティ」「ゲスト参加」「会議の文字起こし」などの機能で比較する感じですね。
これらに関しても、「使いやすさ」で検討するのが良いと思います。画面共有やテレビ会議の立ち上げが面倒だったりすると、バーチャルオフィスがうまく活用されない可能性もありますので。
4.oViceに決めた理由は?
いろいろ比較して、最終的にoViceに決めた理由を紹介します。
■oViceの良かった点
基本操作がとても分かりやすく、どのスタッフも15分くらいでなんとなく使いこなせていた印象です。「アイコンに癒やされます〜」って喜んでいた子もいましたね。
また、「デモ体験」にアクセスすればすぐにoViceスタッフと会話できる点も良かったです。
私「会議室の設定がよく分からないんですけど…」
oViceスタッフ「ありがとうございます!画面共有して説明しますね…」
みたいな感じで、リアルタイムで解決してもらえるのは助かります。
■oViceの気をつけた方が良い点
大きくはこの3つですね。「●」はそのまんまなので、詳しい説明は割愛します。注意すべきは「★」です。詳しく解説しますね。
■最低価格の「Basic」プランは狭い
oViceはスペースの最大サイズによってプランが異なります。
エディマートが契約しているのは最低価格の「Basic」プラン。
HPには「20名の利用推奨」と記載がありますが、最大15名で利用していても手狭さを感じます。というのも、下記の画像にあるグレーの円が「声の届く範囲」です。
スクショを撮ったタイミングでオフィスにいたのは8名ですが、ところどころ円が重なっているのが分かりますね。重なり合った状態で会話をすると、その範囲内にいる人は会話が聞こえたり、通知が届く仕様になっています。
また、声を大にして言いたい落とし穴が、トライアル期間のデフォルトサイズは「Standard」プランの2400 x 1280 pxの広さということ。
1週間くらいは気づかず快適さを満喫していたのですが…。後から気づいて「Basic」のサイズに変更したら、「狭っ!」という声が続出しました。
ですので、はじめから最低価格の「Basic」での導入を検討されている方はお気をつけくださいね。
5.バーチャルオフィス導入の流れ
今回の記事でお伝えしたいことは、バーチャルオフィスは「うまく機能する組織」と「うまく機能しない組織」があるということ。そのため、出来るだけ段階を踏んで導入していくことをおすすめします。
今回、導入まで以下の段取りで進めました。
スモールではじめて、じょじょに拡大していく形ですね。段取りのなかで大切な「アンケート」「ルール」についてもう少し解説します。
■アンケートは何を聞いたか
試験導入から2週間程度経過したタイミングで、バーチャルオフィスの感想について全スタッフに向けたアンケートを実施しました。
ポイントは「良くないと思う点」を聞くことです。
・社内勤務の際、社内で対面で会話するときにどうしたらいいかわからない
・スペースが狭いと近くでの会話が聞こえてびっくりする
などの回答から、バーチャルオフィスを導入する上で気をつけるべきことが見えてきます。
また「出退勤の際にはチャットで挨拶」というルールに対しては、数票しか集まらないのも意外でした。実際は出勤時は「おはようございます」、退勤時には「おつかれさまです」とメッセージが飛び交っているので、あえてルール化しなくても良いということでしょうか。
■どんなルールを設定したのか
最終的に、導入時には下記のルールを設定しました。
あくまで、必要最低限のルール設定に留めています。
「離席する際は必ず一声かける」など厳格なルールをつくってしまうと、場合によっては“監視目的”と捉えられてしまうかもしれません。
あくまでコミュニケーションを促す、補助的なツールとして活用できると良いかもしれませんね。
6.バーチャルオフィスに「向いている組織」と「向いていない組織」
あくまで個人の感想ですが、バーチャルオフィスは「日常的なコミュニケーション文化がすでにある組織」が向いているのではないかと思います。
「バーチャルオフィスでコミュニケーション文化を醸成させよう!」みたいなモチベーションで導入するのは効果が薄いかもしれません。リアルでもバーチャルでも喋らない人は喋らないですし、消極的な人が積極的になるという可能性は低いのかも。
導入前は「雑談が増えそう!」とも予想していましたが、実際にはそれほどでもなく…。業務上必要な会話を円滑に、最低限の気遣いで実施できている感じですね。
・組織としてチームプレーを重要視していない
・リアルオフィスでも会話は最低限しか生まれていない
・個を重んじる実力主義、成果主義(オレンジ組織)
・そもそも、グループウェアなどのITツールをまったく導入していない
上記に該当している場合は、バーチャルオフィスの導入は少し待った方が良いかもしれません。ある程度、チームとしてのコミュニケーションがうまくいっている状態から、バーチャルオフィスの導入で最大化させていく使い方が適しているのかなと。
7.おしまい
今回は以上になりますが、少しは参考になりましたか?
いろいろと書きましたが、導入した結果、テレワークの働き方は格段にスムーズになってように思えます。来期にはスペースを拡大して、「外部パートナーをゲストで招いて一緒にお仕事する」なんて目論見も。
また、おもしろい使い方を発見したらこの場で共有しますね!