【読んだ本】なんで家族を続けるの?
ダヴィンチのレビューをたまたま見かけたら面白そうな雰囲気しかしなかったのでポチっと。個人的に「よく父性とか母性とか言うけど、父母の違いって出産機能があるかないかだけであとは個人差でしょ」と思っていたので、アホウドリのくだりは胸にすとんと落ちました。以前ヤマザキマリさんがトークイベントで「男女の括りや人間と他の生物の括りはないもんだと思ってるし、自分は虫に近い」とバッサリ言われていたのが印象に残っているんですが、種すら超えて俯瞰してみるっていいなぁと思った次第です。
以下抜粋。
>冒頭、「脳科学的には家族における父親と母親の本来の役割はあるのか?」と問う内田さんに、中野さんは「ないでしょうね」とあっさり答える。たとえば生物界にはアホウドリのように3分の1はレズビアンで、子孫を残すためにオスと浮気し、子育てはメス同士でするという種がいるなど、決してオスとメスで役割が決まっているわけではない。社会通念に照らして「間違っているのでは?」と思ってしまうだけのことであって、どんな父母のあり方でも生物学的に誤りということはなく、つまり裕也さん&希林さん家族のカタチも「生物界からしたらまったくノーマル」だというのだ。
全編を通して家族のカタチ、ふむふむそうだよねーという箇所がたくさんあったし、心地よく読み進められたのは2人の人柄によるものなんだろうなと。内田さんの問いの立て方、その問いを受け止める中野さんのアプローチ、脳科学のエビデンスに対して新鮮に興味を持つ内田さん、濃い面々揃いの内田家のパーソナルな部分を引き出す中野さん…という往復で、それぞれの得意な表現でパスを出し合う中で友情?同志?のような絆が生まれていく、しなやかな大人の語り合いって感じで憧れました。こういう会話ができる大人になりたい…
ということで形から入るべく、文中で紹介されていた谷川俊太郎さんの「バウムクーヘン」という詩集を買ってみようかと思います。詩集が家にあるって大人っぽいし、親が詩集読んでるのってかっこよくない?という、完全な下心。笑