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【Jtas UPDATE】分業清掃機能を追加。—現場主義が生んだ “かゆいところに手が届く” 進化

Introduction

EDEYANS は「世界中の宿泊を支え、感動を生む。」をミッションに掲げ、ホテル客室清掃 DX プラットフォーム「Jtas」を提供しています。

今回「Jtas」に新たに「分業清掃機能」を追加しました。
分業清掃は、ホテル業界では当たり前の運用。にもかかわらず、なぜいま、この機能を開発する必要があったのか?その理由の1つは、「紙では簡単にできていたことが、デジタルにすると意外と難しくなる」という現場のリアルな課題にありました。
20〜30のホテルでヒアリングとオペレーションの見学を重ね、見えてきたのは「紙だったら余白に色々書けた、紙には紙で便利なところがあった」という声。

しかし、それを理由にデジタル化を諦めるのではなく、デジタルならではの付加価値、例えば紙だとどうしても効率が悪かった、データ蓄積や分析と言った、本来やりたい業務を追加することができればーー。
その想いで開発した「分業清掃機能」の背景とプロセスをご紹介します。


なぜ、あえて「分業清掃」にフォーカスしたのか?

分業清掃は、多くのホテルで当たり前のオペレーション。
それでも「Jtas」を導入しているホテルの現場では、「紙では簡単にできていたことが、デジタルでは意外と難しくなる」という課題が生じていました。
「分業清掃は、紙で管理した方が効率的」——この声に、私たちは向き合いました。

客室清掃の DX を推進する上で、この課題を乗り越えられなければ、本質的な改善はできません。
さらに、デジタル化によって「分業清掃の生産性を可視化できる」という新たな可能性も見えてきました。

こうして、分業清掃の「不便さ」を解決しつつ、「価値」も生むという視点で、開発を進めることにしました。

現場に行かなければ見えない“細かい課題”を拾い上げる

EDEYANS の開発チームにとって、現場に足を運ぶのは当たり前のことです。なぜならば、「Jtas」が実際の運用でスムーズに機能するかは、細かい現場の違いにこそ左右されるからです。
分業清掃が定着していることは承知の上で、実際に各ホテルを訪れると、「紙の方がスムーズに運用できていた理由」がホテルごとに異なっていることが分かりました。

たとえば、清掃スタッフの間では、「誰がどの部分を担当したのかが分からない」 という問題が発生することがあります。紙のリストには空いているスペースに担当者の名前を書けば良いため、一目で把握できますが、デジタル化すると情報の入力やそれを覚えるのに手間がかかり、逆に混乱を招くことも。

「Jtas」では、こうした 「紙の方がスムーズに運用できていた」 という課題を解決するために、実際に現場で運用しないと気づかない課題を細かく拾い上げ、開発を進めました。

「デジタル化が逆に不便になる」をどう解決したのか?

「Jtas」は紙の使いやすさをそのままデジタルへ移行し、プラスアルファの価値を提供することを大切にしています。それが「Jtas」、ひいては EDEYANS 開発チームのこだわりです。

今回の「分業清掃」機能の追加では、以下の観点にこだわりました。

  1. 担当者のアイコン写真を表示
    ・これにより、「誰がどこを担当したのか」が視覚的に分かるように。
    ・名前だけでなく顔で認識することで、スタッフ間の情報共有がスムーズに。
    ・「○○さんがベッド担当」「△△さんが水回り担当」と直感的に把握できるため、ミスや混乱が減少。

  2. 清掃種別(アウト/滞在)・ルームタイプごとの表示
    ・紙のリストでは、「アウト(チェックアウト後の清掃)」「滞在(連泊中の清掃)」などの情報を簡単に確認できていた。
    ・これをデジタル上でも同じように見やすく整理し、紙のような直感的な操作感を実現。
    ・「紙の方が見やすかった」という違和感をなくし、無理なくデジタル化を受け入れられる仕様に。

  3. 個々の清掃スタッフの生産性を可視化
    ・どのスタッフが、どの部屋の清掃を、どれくらいの時間で終えたのかを記録。
    ・これにより、適材適所の配置が可能になり、チーム全体の生産性向上につながる。
    ・たとえば、「Aさんはバスルーム清掃が早い」「Bさんはベッドメイキングが得意」といった特性が分かり、業務の割り振りが最適化。

新機能ではアイコンで担当者がわかり、またそれぞれの分業箇所にどれくらい時間がかかったのかがわかる

「Jtas」が業界の“当たり前”を変えつつある

「Jtas」はリリース3年で解約ゼロを維持しています。

  1. 「分業清掃」は劇的な変革ではないが、日々の小さなストレスを解消するだけで、業務が快適になる。

  2. 「デジタル化=便利」ではなく、「紙の方が楽な場面もある」ことを認めた上で、設計。

  3. EDEYANSは、デジタル化の押し付けではなく、現場に寄り添った進化を続ける。

この姿勢こそが、「Jtas」がホテル業界で支持していただける理由だと考えています。

さいごに:客室清掃の DX は、地道な改善の積み重ね

「Jtas」の新機能「分業清掃」は、清掃オペレーションを劇的に変えるものではありません。しかし、「紙をなくせない理由」を徹底的に掘り下げたことで、現場が「便利!」と思えるプロダクトに進化しました。
これからも EDEYANS は、現場に足を運び、本当に使いやすいプロダクトを追求していきます。

取材企画・協力 / 世界線株式会社


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