そろそろレシピなしで料理がしたい!
レシピを見ないで料理を作るには?
「レシピを見ないで、料理を作る」
若いころ、経験をつめばそれができるようになると思っていました。
でも、かれこれ十数年料理をしてきても、そうなれる様子はありません。
___私って、よっぽど料理のセンスがないみたい💦
そう思い込んでいた、少し前の私。
では、料理はそこそこできるのに、レシピを見ないと作れないのはなぜでしょう?
今となって思い当たる理由は、レシピ通りにやることばかり気にしていて、自分で考えることをしなかったから。
そして何よりも料理を難しく考えすぎて、楽しんでいなかったからかもしれません。
日々の料理がとにかく面倒で、つまらないルーチンだと思っていた私ですが、雑誌の料理記事の制作に携わるうちに、「料理って、もっと自由にやっていいんだ」と気がつきました。
例えば、雑誌に掲載するためのレシピを考える時に、誌面の見映えなどの兼ね合いで、加える食材を変更してもらうことはよくあります(料理家の先生にリクエストします)。
調理法や食材はもとのまま、味付けを中華風の「オイスターソース味」だったものを、洋風の「マスタードレモン味」に変えることだってあります。
つまり、味わいがおかしくなければ、変更しても問題なし!
本やネットにのっているレシピも、必ずこうしなければならないという決まりではなく、よほどバランスがおかしくならなければ、自由にアレンジしてもよいのです。
料理を分解してみると、レシピの仕組みが見えてくる
料理は、結局のところ「食材」×「調理法」×「味付け」の組み合わせ。
料理記事に携わるようになったころ、どこかで目にしたこの公式が、一見複雑に見えるレシピの秘密を解き明かしてくれました。
例えば、ほうれん草のおひたしは「ほうれんそう(食材)」を「ゆでて(調理法)」、「しょうゆ(味付け)」で和える料理。
レシピは、これを手順として書き表しているにすぎません。
もっと複雑なレシピでも、要素を分解して考えると、調理法や味付けの共通点が見えてきます。
例えば、カレーは水分量こそ違いますが、作り方は肉じゃがとほぼ同じ。
つまり調理法でいうと「煮る」ジャンルにあたります。
味付けだって、肉じゃがの「しょうゆとみりん」をベースにすれば、他の食材を使ってもご飯に合う和風の甘辛味おかずが作れます。
つまり、煮るという手順や、よく使う調味料の組み合わせは、レシピに共通する「型」といってもよいもの。
レシピを見ないと料理が作れない人でも、料理経験がある程度あれば、無意識のうちにこの「型」はインストールしているはずです。
であるなら、その型を意識して使いこなせるようになるために、すぐにでも自分なりのアレンジを加えていくことが、レシピを見ないで料理を作れるようになる近道なのかなと思います。
「食材」「調理法」「味付け」のどれかを変えてみる
アレンジの基本は「食材」「調理法」「味付け」の要素のどれかを別のものに入れ替えてみること。
例えば、肉じゃがのじゃがいもを里芋に、肉をひき肉に変えれば、里芋のそぼろ煮になりそうですよね。
さらに、水溶き片栗粉を加えてとろみをつけたり(食感をアレンジ)、
カレー粉を入れてスパイシーにしたり(風味をアレンジ)、
薬味として、刻みねぎや貝割れ大根をのせたり(食感と風味をアレンジ)したら、
どんどん違うメニューに変わっていきます。
つまり、自分にインストールされている、大まかな「料理の型」と、この食材や調味料なら合いそうという「直感」を頼りに、怖がらずにチャレンジすること!
うろ覚えでもオッケー。
途中でちゃんと味見をすれば「食べものではないものになってしまった!」なーんてことは、まずないと思います。
このように、料理を分解して捉えるようになった私は、それまで難しく感じていた料理のハードルがぐんと下がったような気がしました。
※ とはいっても、全く新しい料理に挑戦しようというときや、そもそもの料理初心者は、まずはレシピ通りに作れることを目指した方がいいのかなと思います。できれば、プロの方が出しているレシピがおすすめ。調理法や味付けのパターンなど、料理の基本となる型を教えてくれるはずですから。
五感を使うと料理が楽しくなるのかも!
レシピを見ないで料理する機会が増えることで、料理への向き合い方が変わりました。
「味付けはこれでいいかな?」
「今、火はどれくらい通っているかな?」
鍋やフライパンの中で発せられる音や、立ち上がる香りにも意識が向くようになりました。
___料理上手に少しは、近づいてきてるんじゃない??
ちょっといい気分になってきます。
家庭料理はレストランの味でなくてもOKだし、仮に失敗したって、1年に365日あるうちのたったの一回の食事です。
少しおおらかに、実験気分で取り組むと、料理って案外楽しいものだなぁと感じます。
では、次回からは「味付け」や「調理法」などのアレンジの方法について、もう少し具体的にお伝えしていきたいと思いますね。