「問題児」は大人が向き合うべき「問題」を提出してくれている~谷川俊太郎さんの訃報に接して~
あなたと共にうたいたい。
元高校教師(国語)の
たこせん枝瀬です🐙
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教育は
自分が変わらないと
他人を変えることなんてできない。
=「主体変容」
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【たこせん枝瀬の発信の足】
【河合隼雄『で』語ります!!】
谷川俊太郎さんは不登校の元祖
谷川俊太郎さんの訃報に接した。
『鉄腕アトム』の主題歌や
マザーグースの訳をはじめ、
「生きる」「朝のリレー」
「二十億光年の孤独」は
国語教科書の定番だし、
名前は知らなくても、
作品をそらんじれば
「知っている!」という人は多いと思う。
現代を代表する詩人であり、
老年になっても
聡明かつ壮健な印象が強い。
ついこの前も
糸井重里さんとの対談を
読んだばかりの記憶があるから、
93歳 老衰で逝去という
ニュースには
少なからず驚いた。
谷川俊太郎さんは、
河合隼雄先生とも
ご縁の深い方だった。
河合隼雄・谷川俊太郎の
(対談を含む)共著というと
印象に残っているのは
この2冊である。
特に
『あなたがこどもだったころ』は
谷川俊太郎さんをはじめ
十名の著名人の
「子ども時代」を語る内容で、
河合隼雄の言葉を借りるなら
となる。
谷川俊太郎さんは、不登校だった。
思い通りにならない子ども
子どものことで
頭を抱えている親
つまり、
すべての親にとって、
この本
(河合隼雄『あなたが子どもだったころ』)
は必読の書だと思っている。
というのも
子どもというものは
本来、
思い通りにならない存在であり、
当の本人だって
自分で自分をどうにもできなくなって
途方に暮れているわけで。
しかしながら、
思い通りに行かない時代に
親子ともども煩悶した経験が
後の自己実現のための
大きな「栄養」になっていくことが
この本を読むと理解できる。
まさに
良薬は口に苦し。
なんてことを言うと、
当事者でないからこそ、
そんなお気楽なことが言えるんだと
叱責を受けそうだけど、
20年来
子どもと関わる仕事をしてきたらこそ
書けることだし、
僕自身、
ウツをこじらせて
さんざん家族を困らせて
本気で命を絶とうとしたときも
あったくらいで。
そんなプロセスを振り返ると、
そんな時期があったからこそ
今の自分でいられるんだと
信じることができる。
苦しい時の「なぜ」に答えなんかない
子どもでも
大人でも、
不快な事実、
嫌だった出来事、
直視したくないことに対しては、
防衛本能が働くので
無意識に(それを)避けようとする。
自分事に置き換えれば、
すぐ理解できるはずなのに、
自分のことはさて置き、
他人のことになると、
すぐ知りたがるし聞きたがるのは
僕自身、
すごく反省すべき悪い癖だ。
でも、
この河合×谷川対話のやりとりを
読み直すと、
そうだよな。
現在進行形で
モヤモヤしているときって
その気持ちを
言語化できないよな。
まして、
子どもなら、
言葉になんてできっこない。
われわれ大人は
子どもについつい
聴きたがる。
知りたがる。
なんで?
どうして?
と。
でも、
子どもは
この質問に答える余裕がないのだ。
そもそも
正解自体ないわけで。
子どもが答えたとしても
それは質問されたから無理くり答えるだけの
リップサービスのようなものなのかもしれない。
そんなリップサービスに
頼っているようではいけなくて、
子ども自身どうにもならない煩悶を、
大人も一緒になって味わうしかない時期
というものは確かにある。
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どうにもならないことは
どうにもならないのだから、
耐えるしかない。
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この耐えるしかない時期に、
どのように
大人がふるまうのか?
どうやって
大人が自分の心に余裕を生み出すか?
という
のっぴきならない問題を
大人は迫られている。
いわゆる問題児は、
その子に「問題」があるのではない。
その子は、親や大人に
「問題」を突き付けているのだ。
この文章を読んでいる
あなたへ
というよりも、
これは
僕自身への戒めであり、
僕が
河合隼雄から学んだ
大切な捉え方の一つである。
死んだ男の残したものは
最後に
谷川俊太郎さんの詩を紹介して
結びとしたい。
失望は希望と、死は再生と、
分かちがたくむすびついている。
今日は、ここまで
最後までお読みいただき
ありがとうございました。
嬉しくてタコ吹いちゃいます(˶˙๏˙˶)♡
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