みなさんこんにちは。摂食障害オンライン相談室を運営する、元摂食障害の心理士、渡邉茜(わたなべ・あかね)です。
この企画は、当カウンセリングの卒業後を追う企画。
今回ご紹介する卒業生は、海外在住、現在50代のあいこさん(仮名)。
2023年12月に卒業し、約1年3ヶ月ぶりの近況報告インタビューを行いました。
課題/回復のアプローチ
課題
あいこさんの場合、「美しさのために痩せていたい」というより、「何かの不安から目を逸らすために、日々の生活をコントロールすることで安心したい」という欲求がある印象がありました。
そのため、不安を紐解いたり、コントロールすることで失っている「五感をつかって生きる楽しさ」を思い出してもらうようなアプローチを心がけました。
卒業1年後のインタビュー
1|カウンセリングをうけようと思った理由
連絡くださった時のこと、とても覚えています!私が大好きなオーストラリアのある都市に住まれているとお聞きし、私自身、ご縁を感じていました。一度一人旅もしたことありますが、また訪れたい場所です。ぜひその際はよろしくお願いします!笑
2|カウンセリング中の、症状・生活・価値観の変化
栄養士の指導自体はとても素晴らしいものでしたが、バランスを重視しし過ぎていたため、食事が餌のようなものになっている印象でした。だから、「食べる意味がわからない、食べることが苦痛になっている」という印象を受けました。
そこで、「食べる楽しさ」を思い出すべく、カウンセリングの序盤で「何も栄養などを考えなかったら、何が食べたいですか?」と聞き、そこからカフェやイタリアンなどで食事を楽しんでいた頃を思い出してもらいました。食べる楽しさに気づいていくようなアプローチを心がけ、次第に「バランス<本当に食べたいもの」を重視して選ぶ習慣がついていきました。
3|カウンセリングで苦しかったこと
(また、それをどう乗り越えたのか)
うんうん、カフェでのんびりする時間がありましたよね。
私もオーストラリアのカフェ文化、もう一度味わいたいです!
4|カウンセリング卒業後、症状、体重、生活など
大変なことがありながらも、すごいな〜
そうそう、「問題を食事で解決しない」ということも、回復した証です。拒食の子は嫌なことがあると、どうしても「食べない・食事をコントロールする・運動する」などの手段をとって、その気持ちをやり過ごそうとしたり、表現したりしますから。
どんなにメンタルで落ち込むことがあっても、食事だけはその問題と切り離して楽しむことができるようになったこと、自信にしてくださいね!
5|自分はなぜ、回復できたと思いますか?
私があいこさんが回復できた理由は3つあると思います。
1、前のめりになって、摂食障害の自分を理解しようと努力した
あいこさんの素晴らしいところは、自分で摂食障害を前のめりになって理解し、自分を客観的にとらえようと努力したことですね。やっぱり、回復する方としない方の違いは、自分自身で、自分の状況を理解し、受け入れようと努められるかどうかです。
2、外食のチャンスを利用し、挑戦した
あいこさんは、お友達も多く、パーティーの機会に恵まれている方でした。よく、ここで拒食の子は「外食が怖いから参加しない」という選択をとりがちですが、あいこさんは「うまく食べられなくても良いから、とりあえず参加する」という選択をとりつづけたことが回復につながったと思います。
3、やりたいことを再認識した
あいこさんを劇的に回復させたのは、モチベーションを高める「やりたいことを再認識したから」です。
もともとワインに興味があったのに、拒食になってから勉強する体力もなく。ワインの勉強に集中するためにも、健康な体が必要と再認識しました。
6|自分はなぜ、摂食障害が必要だったと思いますか?
(摂食障害になった意味は、何だと思いますか?)
うんうん、あいこさんは何か人生において大切な転機だったのだと思います。自分自身の生き方を見つめ直し、「健康になって、自分が納得できる生き方をしよう」と思えたことが、摂食障害になって得た大きな財産なのかな〜
7|摂食障害回復中の方にひとことメッセージ
うんうん、シンプルに良いですね〜
結局は、「自分を労わる」「自分の本音を尊重する」という考え方に納得し、実践できたことが回復につながったのだと思います。(理解するのではなく、納得レベルが大切!)
本当に私を見つけてくださりありがとうございます!
そして、私もまたオーストラリアに遊びにいきたいです。
おたがい、人生を楽しんでいきましょうね!
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