
被害者意識は相手にも自分にも攻撃力高めです。
誰でも簡単に加害者に!?
相手の誤りを注意した時、
何か意見をした時、
言い方に配慮したつもりでも、相手を傷つけてしまうことがある。
特に自分が年長であったり、立場があったり経験が豊富だった場合に、
相手が想定以上に委縮して、追い詰めてしまうことがある。
最近はパワハラが問題になりがちで、
指摘、注意、パワハラ、その境界線が受け手の気持ちによって判断されるとあってはなかなか油断できないなあと、世の中に少し憂鬱になる。
頼む、君の悲劇に私を使わないで
つい先日とある活動の中で、私がグループの中で最も経験値が高かったため実質リーダーとしてまとめ役をすることになった。
そのため、グループの中の新人さんに対して、誤りを指摘し正しいやり方を伝えなければいけないことがちょこちょこあった。
その新人さんは私が何か伝えるたび、みるみるうちに落ち込んでいった。
「ご迷惑をおかけして申し訳ございません」。
「もう二度とやりません」。
ちょっとした指摘だったはずだけど……そんな重く受け止めなくてもよいんだけど……と思いながら、繰り返される丁重なお詫びに、胃のあたりが重くなる。
「あ、傷つけてしまった…」私の中の罪悪感がとても刺激された。
その子は、他のメンバーにはとても親し気で感じが良かった。
「●●さん、優しい!救われます!」みたいな前向きなメッセージが聞こえる。
「●●ちゃん、今のすごくよかったね!」私も便乗して伝えてみる。
いちおう私にも返してくれるが、ほんのりドライな印象だ。
あああ、なんだか私は怖い人、口うるさい人として認定されているのかもしれない(★)。
私以外の人にはわからないように、私に壁を作っているように感じた…。
うすうす疎外感も覚え始めたけれど、言わなくてはならないのだから仕方ない。。。
「私こんなに傷つけられました(涙)」
小学生の時、先生、母に反抗した自分を呪った…。
特に先生は立場的に大人の対応をしなければならない。(中には逆切れパターンもあったけれど)
立場が弱い方が被害をこうむりやすいように感じるけれど、立場の弱い方には「被害者意識」という武器がある。
被害者意識は、自分をかわいそうな存在、不当な攻撃や不幸な目にあった存在として感じて、悲しむ姿を見せることで「あなたによって私はこんなに傷ついているんです」と訴えて、相手の罪悪感に鋭い刃を刺す。
被害者意識というものはなかなかの攻撃力がある。きっと被害者意識を使っている人は、その攻撃力を無意識のうちにわかっている。
この新人子、なんてめんどくせえやつだ!!
と言いたいところだが、実はこれ私自身の被害者意識が発動しているということは伝わってますでしょうか。
被害者意識への抵抗
上述の★のところです。
私自身が、「新人ちゃんの被害者意識によって、私だってこんなにつらい思いをしている」という被害者意識を感じているのであります。
人間関係における問題、心の揺らぎは、どちらか一方だけの問題が原因ではないことがほとんど。
相手にだけ問題があるように思えることでも、受け手にも同じような要素があれば反応してしまう。
でも、持っているものは仕方がない。感情は自然現象だから。でも、否定したり嫌ったりすると、心の奥に沈殿していき、濃縮されて、時々うずいて、何かあった時に自分を悩ませます。この時の私のように。
自分自身の被害者意識が出てきた時は、まずは相手にぶつけないこと。
それだけでも十分立派。
(というかここがかなり難しいかもしれない。必死で耐える必要があるかもしれない。)
ぶつけず心にとどめて大人の対応をした自分を、ほめてあげよう。
(もし職場で問題になりそうな時は、自分を守るために上司などへ事実ベースで伝えよう。)
そして、忘れず自分のケアへ。
客観的に自分へ正当な評価を与えてあげよう。
自分が必要な役割を務めたこと。
大人な反応をしたこと。
一度は相手への怒りを、友人に聞いてもらったり、紙にとことん書き出したりして、思い切り吐き出す。
いきなり無理に相手を理解しなくてもいい。
でも、吐き出しは長引かせないほうがいい。
悪く言ってしまう自分を自分が残念に思ってしまうから。
それと、できればゆっくり休もう。
何か自分が心地いいことをしてあげよう。
たっぷり寝る、お風呂にゆっくり入る、お花を買う、おいしいものを頂く……。
自分にいじわるすると、またしても被害者意識がうづくので、
何はともあれ、いい気分にしてあげるのです。
そして、余裕が出てきたときに初めて、
自分がなぜ被害者意識を感じたのか、考えてみてもよいだろう。
「私だって頑張っているのに!」「こっちだってつらいのに、たまたま立場が上だからってなんでこんな思いをしなければいけないのよ」。
再びネガティブなものも出してあげると、
その下に、何か本音の気持ちが眠っていることに気づく。
「なんでそう思う」「本当はどうしたかった?」と
できればそこに少しずつアクセスしてみよう。
本音が浮上してくると、けっこうスッキリして、
「なーんだ」と思うことはけっこうある。
しかし、これは急にはできないものだ。
ちゃんと上記のステップを踏む必要がある。
プライドが邪魔するし、相手を責める感情はなかなか手放しがたくてくやしいけれど、ちょっと負けて、素直になってみよう。
さて、この時の私の本音は…
「私も新人子ちゃんやグループの人と、仲良くしたかったなあ&いい人って思われたかった」。
なんか子どもみたいだな……。
けっこう心は単純だ。