見出し画像

50年苦労知らずの僕が「骨のある男」を目指してモンキーポッドを磨く

苦労のない人生を振り返ると…

自分自身の50年を振り返ってみると、特にこれといった「苦労話」がありません。
いや、もしかしたら記憶力が悪いだけかもしれない。でも、本当に歯を食いしばって耐え抜いたり、信頼していた人に裏切られたり、夢半ばで挫折をした覚えがないのです。

仕事もプライベートも順風満帆は言い過ぎですが、生死を左右するようなことはなく、何より人間関係に恵まれ、時折やってくる困難らしいものもなぜか自然と解決してしまう。
そんな「運の良さ」だけでここまで歩んできた人生でした。
これをありがたいと思う反面、「これでいいのか?」という疑問が頭をよぎるのも事実です。

憧れる「骨のある男」像とは

とある女性に好みのタイプを訊ねたら「骨のある男」だそうで、やや抽象的なためそんな「骨のある男」をプロファイリングしてみました。
それは、数々の苦労や修羅場を乗り越え、その経験がシワのひとつひとつに刻まれたような男。多くを語らず、自分の信念をひたすら貫き、黙々と物事に向き合う姿。まさに宮沢賢治の『雨ニモ負ケズ』を地で行くような生き方の男。

同性ながらそのような男の人生に深みを感じ惚れてしまいそう。
シンプルだけど強い生き様。

それは僕のように「苦労知らず」で流れ流れて、その場しのぎに生きてきた人間にとって、憧れを抱かざるを得ない存在です。

でも今さら苦労するのは違う

…とはいえ、今さらわざわざ「苦労」をしに行くのもおかしな話です。
わざと困難に飛び込んで、それを他人に語れるようにするなんて、何かが違う気がします。
そもそも、僕が思う「骨のある男」はその苦労話を自慢気に語ったりせず、実直に努力をしている姿に他人が勝手に「苦労」をバックグラウンドに想像させるような人物ではなかろうかと。

ではどうすればいいのか。

答えはシンプルです。
目の前のことに真摯に向き合い、地道に取り組む」しかない。
苦労話はなくても、自分なりに信念を持って歩む。それが、今の僕にできる最善の方法だと思うのです。

モンキーポッドを磨いてみた

そんなことを考えながら、思いつきと気まぐれで大量に仕入れたモンキーポッドの丸太の輪切りを磨いていました。

この輪切りたちは、厚み50mm、直径500〜700mm程度。表面はザラザラしていて、いかにも手をかけたくなる素材感です。

まずは電動サンダーを手に取り、表面を整えていきます。この作業、意外にも集中力を必要とします。

ただひたすら磨く。
そうすると、ザラザラだった表面が徐々に滑らかになり、杢目の美しさが顔を出してくるのです。
この作業姿を見たらこんな僕でも職人気質な「骨のある男」に見えるんじゃない?誰か写真撮ってSNSで拡散してくれないかなぁ…?

さらにオイルを塗ると、木材の色味が一気に深みを増し、隠れていた杢目がまるで作品のように浮かび上がります。「手をかけることで素材の良さが引き出される」というのは、モンキーポッドを磨いていると強く実感します。

サイドテーブルを作るというアイデア

磨き終えたモンキーポッドの輪切りを見ていて、「これをサイドテーブルにしたら面白いかもしれない」と思いました。
脚をつければ立派な家具になりますし、サイズ感もちょうどいい。

今回はアイアン作家さんがデザインしたアイアン脚を取り付けてみました。
木のぬくもりと繊細に組み合わされた鉄の無骨さが組み合わさることで、洗練されたデザインに仕上がりました。自然素材をそのまま活かした家具は、どんなインテリアにも馴染むはずです。

これを見た時、「これを自分一人で楽しむのはもったいないな」と感じました。
そこで、このモンキーポッドの輪切りを使ったワークショップを開催してみようか…なんて、また思いつきで行動開始。

ワークショップで「骨のある男」を体験する

もちろん男性に限定したものではありません、老若男女大歓迎。
ワークショップの詳細は以下の通りです。
場所:奈良県御所市の「アトリエ エコロキア」
内容:モンキーポッドの輪切りを磨いて、サイドテーブルを作る
時間:2〜3時間程度
価格:5,000円(税別)
オプション:アイアン脚の取り付けも可能(別途料金)

このワークショップでは、木材を磨くというシンプルな作業を通じて、「手を動かして何かを生み出す楽しさ」を感じてもらえるはずです。

木材の香りに包まれながら、手間をかけて仕上げた作品は、きっと特別な一品になります。さらに、自分で作った家具を部屋に置く喜びは、何にも代え難いものです。

苦労を求めず、でも真摯に生きるために

僕は「苦労話」を語ることができる人生ではないかもしれません。
でも、そんな人生の中でも、自分なりにひとつひとつのことに向き合い、何かを生み出す時間を積み重ねていけば、それが僕の「」になるのではないかと信じています。

モンキーポッドの磨き作業は、そのひとつです。地道で目立たないけれど、確実に結果が現れる。そして、その結果には自分が手をかけた証が刻まれています。

もし、このnoteを読んで「黙々と何かに向き合いたい」と感じたなら、ぜひ僕のワークショップに参加してみてください。ただ木を磨くだけでなく、そこには自分自身と向き合う時間があり写経や瞑想に近いものがあるかも知れません。

50年苦労知らずで歩んできた僕でも、そんな時間の中で「骨のある男」に少しは近づけたかな。

あなたもモンキーポッドを磨きながら、自分を磨いてみませんか?

いいなと思ったら応援しよう!