おしごとシリーズをかりてきてね。
毎晩夜寝る前に、長女は「このほんよんで。」と言って、自分の本棚から本を出してきていたのだが、ある日
「ほんがすくない。」と言って、かたまってしまった。
そこで、図書館から長女が好きそうな絵本を借りてくるようになった。
私は、本を読むのが大好きで、よく図書館を利用している。
私はインターネットで読みたい本を予約して、図書館から「届いた」との連絡がメールで来たら取りに行くようにしている。
ほんとうは、自分の読みたい本を書棚を眺めながら取り出したいところだが、時間的余裕もないし、「青木まりこ現象」もあるので、リクエスト予約方式を続けている。
しかし、絵本はどうだ。
子ども向けの書棚は、
ばばばあちゃんシリーズとか、
バーバパパとか
のらねこ軍団とか、
11匹のねこシリーズとかカラフルに溢れまくっているではないか。
その中から苦労して選んで、借りてきていたのだが、
ある日長女が言うことには
「こんどはおしごとシリーズをかりてきてね。」だった。
なるほど。
絵本と言っても、物語風のものだけでなく、「のりもの」だとか「おしごと」だとか「しぜん」だとか、知識的な要素があるものもあるのだね。
うーん。長女はおしごとに興味がでてきたのか。
そこで、見つけたのが、鈴木のりたけ「しごとば」だった。
鈴木のりたけは「大ピンチ図鑑」でおなじみだった。
お風呂に入ろうと思ったら、お湯がなかったとか、日常的な困ったあるあるの本である。
「しごとば」シリーズは、ずっしり重くて大きくて、ぎっしり絵が描いてあって、読み聞かせにはとても苦労する本だった。
そして、なんと6冊もある。
私はこれをどうやって読んだらいいのだろう。
工夫に工夫を重ね、長女にわかる言葉を使って、
「獣医師」→「どうぶつのおいしゃさん」(漫画にあったね)
「厩務員」→「うまのおせわするひと」(幸い、近くに競馬場がある)
「特殊メイクアップアーティスト」→「さるのわくせいのめーくするひと」
「自動車整備士」→「うさぎのおじさん」(兎を買っている整備士さんが近くにいる。)
「考古学者」→「はくぶつかんのてんじをみつけてくるひと」みたいに、長女向けに翻訳する。
それぞれのお仕事ごとに、
使う道具、
おしごとの内容、
仕事部屋などのページを見ていく。
道具などをわかる範囲で読んでいくのだが、考古学者のページに「インディ・ジョーンズ」が、ドアからのぞいていたりして、遊びがありおもしろい。
道具にしても、一度に全部読むのではなく、少しずつ読んでいく。
今日読めなかった分は、明日読むという風にしている。
物語風絵本は、すらすらと字をおって読んでいけばいいのだが、
「しごとば」シリーズは、「絵」を楽しむ本なので、全く読み方が違う。
そういえば、長女は細かい絵がぎっしり描かれているものが好きだった。
「しごとば」シリーズは、目をらんらんと輝かせて見ている。
「こんどは、おみずができるまでがよみたい。」というので、
「みずとはなんじゃ?」かこさとし作
を借りてきて読んだのだけど、
長女は、読み終わって一言。
「むずかしかった。」
50歳の知的障害の長女の知識欲。どこまで、発展するか。
ものすごく楽しみである。
そして、今年75歳になる母、自分の趣味では絶対に読まないような本を、普段使っていない脳の部分を使って読んで、長女についていく。
どこまで、読めるか。次は何の本が出てくるのだろうか。
楽しみである。
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