
あわやあわやあわやの老障介護
老障介護の我が家は、知的障害、躁病のある長女ほかろんと、76歳の母である私との二人暮らしです。
ほかろんは、躁転すると、多弁、暴言、しつこいこだわり、動作が早くなる、攻撃的になる、不安が強くなって確認をし続けるなどになります。
一番大変なのは、眠らないということです。
昨年は比較的、穏やかめの日々が続き、私もゆっくり眠ることができていました。
しかし、魔の九連休のすぐ後の三連休、次女一家の訪問、ショートステイの利用日が近づくなど、イレギュラーなことが続くなど、ほかろんにとって、苦手なことが続きました。
それと同時に、母親がぐったり疲れてしまって、
「休みたい」という気持ちが強くなってきました。
そんなこんなの日々には、どこか、脆いところから崩れやすくなってきます。
ほかろんの「いやだいやだ」攻撃、いわゆるヤダさん現象が頻繁になり、この服じゃないのを出して、この靴下じゃないのを出してと、着る服を決めるのに、一時間以上かけ、挙句の果てに、決まらないことに激高する事が増えてきました。
感情が高ぶりすぎて、激しく怒鳴りだすと、ここはいよいよ「頓服」の出番です。
「頓服」はリスペリドンです。
今年に入ってから、「頓服」がもう3回も出動しています。
さて、これ以上、癇癪の嵐が増えないよう、激しい躁状態にならなようにするために、私にできることは何でしょうか。
今までもできる限り、穏やかな暮らしを続けることができる工夫を重ねてきました。
その一つは、母親が「疲れ切らないでいる。」ということです。
でもね、私は疲れ切ってしまったんですよね。
一つには、私の加齢による老化があります。
こればかりはしかたがないです。
だから、高齢の母親が疲れ切らないための工夫、いわゆる、福祉サービスの上手な利用が必要です。
そこで、昨年から、レスパイトサービスとして、ショートステイを利用し始めたのです。
先月は、スムーズにショートステイに出かけたのですが、今月は、利用日前にとても緊張したようです。
園からショートステイまで、職員さんが送迎してくれるのですが、
「だれがむかえにくるの」と一日中聞いてくるようになりました。
これは園の職員の都合なので、母親にはわかるわけがなく、ふだんはほかろんも、そういう事情はよくわかっているのですが、躁状態になると
「おかあさんならわかるはず」という、世界中のことはお母さんが握っているという理論になってしまって、母親を攻め立てます。
いよいよ昨日、ショートステイに行く日になりました。
お泊りセットのボストンバックを私が自転車の荷台に乗せて、送っていくと、
「やめようよ。とまるのやめようよ。」と道路の真ん中で大声で言い始めます。
「じゃあ、帰ろうか。」と私が言うと、
「いくよ、いくよ。」と言います。
結局、園には向かいました。
ほかろんの心の中で、せめぎあいがあるのか、それとも、躁状態の時によくあるように、頭の中に浮かんだことを、ただ、言い放っているのか、わかりません。
園の職員さんからも、最近の様子について、お話をお聞きしましたが、とてもよくほかろんのことを見てくださっているのがわかりました。
ほかろんがやりたいこと、好きなことがあったら教えてくださいとのことでしたので、ウオーキングが好きなようですと伝えました。
もしも園で、ほかろんが「ショートステイに行きたくない」などと言うようなことがあれば連絡してくださるとのことでしたが、昨日は何の連絡もありませんでした。
なので、生活介護の後、ショートステイに行くことができたのでしょう。ステイ先からも特に連絡がなかったので、今朝は、生活介護に行けたのでしょう。
いくつになっても、いつになっても、障害のある子を持つ母親は、どきどきした生活をしています。
ケアではなくて、この、心のどきどき、要するに不安と緊張からは、逃げることも離れることもできません。
ともかく、ほかろんがいない夜は、早寝ができて、楽でした。
心はドキドキ緊張していますが、体の疲れは少しとれます。
心身共に、リラックスできる暮らしは夢です。
障害のある子どもさんを持つすべてのお母さんが、心身ともにリラックス出来る世の中になりますように。
障害者の母親が、強がったり、無理に明るく振舞ったりしないで、自由にため息ついて、「つらいよ、たすけてよ。」って言える世の中になりますように。
あわやあわやの生活を、なんとかかんとか送りながら考えています。
いいなと思ったら応援しよう!
