障害認定調査で緊張した長女
昨日は3年に一度の、長女の障害支援区分認定調査でした。
心障センターの認定調査員さんが、生活介護の通所施設に来て、調査をする約束になっていました。
長女と、支援員さんと私と3人で、事務室で待っていると、大きな荷物を抱えた調査員さんがやって来ました。
彼女は自己紹介をすると、認定調査のマニュアル本を取り出して、それを見ながら調査を始めました。
歩行とか立ち上がり、片足立ちなどの項目について、本人にでなく母親に尋ねるので、
「実際に本人がやってみれば、すぐわかりますよ。」と答えて、長女に促しました。
えっこらさと立ち上がり、ふらあふらあと片足立ち。
せっかく本人がいるのにどうして母親に聞くのだろう。
たいていは、本人に動作を行ってもらいそれを見て記録して、本人への質問が終わったら、あとは家族と職員への聞き取りになるはずなんだけど。
そして、本人は日中活動に戻ってもらうという感じなんだけど。
今回の調査員さんは、
「あ、やらなくていいですよ。答えてもらえれば。」っていう感じ。
なんだか違和感。
そして次々母親と職員に質問をし続ける。もう一時間。
私は答えながらも、隣に座った長女の緊張感が伝わってきて落ち着かない。長女は手をいじりだし、所在なさげ。
(ああ、もうすこしで、ささくれむきはじめて指が血まみれになるな)と思ったので、つい、言ってしまいました。
「本人への質問が終わったのなら、本人は日中活動に移っていいでしょうか。すごく緊張しています。自傷行為でそうです。」
「あ、何か、活動あるんですか」と調査員さんが聞くので、
「今日は造形の先生が来て、教室をやっているんで、本人楽しみにしてるんです。」と答えて長女を開放しました。
ほっとしました。
とにかく本人に聞かせたくないような質問項目など続くのです。
そして長女は、自分の障害や病気についての話など、目の前でされるのを、すごく気にするのです。
調査員さん、長女のほうをあまり見てなかったから、本人のつらさに気づかなかったんでしょう。
そもそも、本人に質問していなかったのですから。
私に質問するので、私が長女をうながして答えを引き出すという感じでした。
でもマニュアル本見ながらの調査だったから、新人だったのかもしれません。結局調査は2時間かかりました。
長女は、知的障害、自閉スペクトラム症、てんかんだけでなく、躁病もあるのです。
躁病を理解してもらうのはなかなか大変です。
本人がいなくなってから、躁状態になるとどのくらい大変かを説明しました。
実は、私は介護保険の認定調査員をしていました。
いかに、本人と家族に負担がかからないように調査するかを心がけていました。
家族が、本人の障害について話をするのは、何回やってもつらいものがあります。
そして本人の前では、耳に入れたくないけど大事な話もあります。
私は先に本人の調査を終えると、部屋を移したり、本人に日中活動に戻ってもらった後、家族や職員からお話を聞くようにしていました。
この辺が私が感じた違和感です。
調査は調査員のためのものでなく、本人のためのもの。
仕事をこなすだけでなく、本人のことをよく見るもの。
そうじゃなくては、本人に会う意味がない。
そして本人が傷つかないよう、気をつけながら行いたいもの。
一夜明けた今日。
「ああ、きのうはきんちょうした。」と長女は何回も何回も言っていました。
疲れたよね。
新人調査員さんにお付き合いしてくれてありがとう。
こうして調査員さんも、成長していきます。