児童精神科をしていると、大きな壁が一つあります。それは、成人の精神科医療へのトランジションです。
かつて子どもだっと大人たち
どういうことかというかと、われわれは児童精神科と言うだけあって、子どもの診察が主な仕事です。でも、子どもも必ず成長して、大人になります。この大人になっていった子どもたちをどうやって地域の精神科医療に繋げていくかが大きな課題なのです。
私は精神科の患者ではない
長く通っている先生からお別れできない
新しいクリニックに行くのが不安
など理由は様々です。
だけど、かつて子どもだった大人が増えてくれば、当然ですが、今の子どもを診ることができなくなります。予約が一年待ちなんてことにもなったことがあります。予約が取れないことで、どうにかしてほしいという意見もたくさん聞きます。中には今の子どもたちのために自ら身を引いていく人たちもいます。また、児童精神科という名前が恥ずかしいと感じるようになり、転院していく人もいます。
我々の本業は子どもを診ることです。
もちろん、大きくなるまでみていきたい場合もあります。しかしながら、それをつづけると、子どもを見ることができないという現状があります。この児童精神科医の少ないご時世で、なかなか診続けること難しいのが現状ですね。
なんとか、児童精神科医が増えて、多くの精神科クリニックとも役割分担しながら診療にあたっていきたいと思います。