児童精神科医 Lasciva:Evangelist of Child and Adolescent Psychiatry (ECAP)

児童精神科医として20年ほど臨床現場で忙殺されつつ、研究や大学での教育も細々としております。児童精神科医療の課題やトピックスなどを発信していきます。ガジェット、漫画、資産運用にも興味あります。多少の脱線しながら、白髪が増えたアラフィフの現役児童精神科医の頭の中を呟くつもりです。

児童精神科医 Lasciva:Evangelist of Child and Adolescent Psychiatry (ECAP)

児童精神科医として20年ほど臨床現場で忙殺されつつ、研究や大学での教育も細々としております。児童精神科医療の課題やトピックスなどを発信していきます。ガジェット、漫画、資産運用にも興味あります。多少の脱線しながら、白髪が増えたアラフィフの現役児童精神科医の頭の中を呟くつもりです。

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子どもの人生を紡ぐ児童精神科医という生業

児童精神科医という生業 大学を卒業して、数年間は医局に属して精神科医をしてました。その後児童精神科医になってはや20年。働いてみて感じたことをまとめておきたいです。このような仕事を生業にできたことを本当に感謝していますし、さまざまな職種の人たちに助けられて今があるのだと思います。 児童精神科医としてはたらくってなんだろう  児童精神科になるとは医学生の頃、精神科医の頃は全く考えていませんでした。確かに大学の医局時代に苦労した高校生の症例に出会いました。そして、仲の良い先

    • NEJM オリンピック参加者をCOVID-19から守るために - リスクマネジメントのアプローチが急務

      NEJMがIOC の対応をけちょんけちょんに指摘しています。政治家もエビデンスとかすぐにいうけど、エビデンスにもレベルがあるし、その使い方を間違えていたら意味がない。 https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMp2108567 例えば、 公衆衛生の重視については、NEJMは「選手会、競技団体、専門家を含むCovid-19諮問委員会を設置し、発生時に迅速に対応できるプランBを用意する。」と指摘していますが、IOCは「選手会の関与な

      • 暫くぶりのnote

        暫くnoteをお休みしておりました。体調が良くなったのもありますし、仕事が忙しかったのもあります。記録に追われて書いてきたことで、書くことが目的になってしまって、自分の頭をまとめていくという本来の目的を失いつつあるようにも思いましたし、毎日書くことではなく、人の気持ちに溶け込むような文章を書くことを目指したいと思います。 比較的単調に毎日暮らしているのですが、自分は誰かに読んでもらいたいということよりも、自分の思考回路の整理をしていく上で、毎日文章にしていくことが大事なんだ

        • ワクチンは無症状の人たちにも必要

          Lancetの論文です。 ファイザー製のワクチンが症状の有無にかかわらず、その感染を予防できることがわかってきました。  この研究は英国の公立病院で働くスタッフ(18歳以上)を対象とした前向きコホート研究です。さらに特筆すべきは、英国の変異株流行時にワクチン接種されており、この変異株に対しても有効性を示していたことでしょう。 毎日外来ばかりしていますが、肌感覚では変異株の登場で、新型コロナウイルス感染症の新型という印象を受けています。子どもたちへの広がりがすごい印象です

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        • 児童精神科医の気になる論文たち
          47本
        • 児童精神科医のデジタル仕事術
          15本
        • ADHD HACK
          3本
        • 物欲と闘う児童精神科医
          14本
        • セミFIREを目指す児童精神科医
          4本
        • 児童精神科を探せ
          7本

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          NotionでPDCAサイクルを回してみる

          Notionについては以下のページを参考にしてみてください。Noteではこのページが最もまとまっていますね。 PDCAサイクルについては、多くのビジネス書で書かれていますので、よく知られた仕事効率化の方法の一つですね。 この二つをくっつけてみると、すごく便利でした! Notionでタスク管理しているのですが、その中にSelectの項目を人作り、以下の項目を作っています。 ・TBD(to be determined) ・Waiting ・PLAN ・DO ・CHECK

          尻から酸素とアメリカの凄さ

          最近、米国の凄さを肌で感じます。戦争で戦ったり、貿易摩擦などありましたが、どこか他人事でした。 医者になり、しかも児童精神科医。アメリカと触れ合うことも少ない生活でした。ところが、COVID-19の影響で、アメリカを意識しないではいられない状況になりました。 ワクチン開発のスピード 一般への接種のロジ回しと柔軟性。 株価の爆あがり そしてリーダーシップ。 アメリカと日本は、全く別の国だと感じましたね。いや、すごいわ。 こんな国と競争していても、今のままでは全く競

          ゲームが大好き

          ゲームへの没頭はASD性よりもADHD性の方が優位と言われることが多いです。報酬系回路との関係性が高いのでしょう。 以下の論文はそんなことを示唆している論文です。 ・ADHDでは、ゲームに関してより依存性が高く、長時間プレイしていた。 ・ADHD症状の重症度とビデオゲームの使用に相関が認められた。 ・重度のADHD児は、依存性スコアが有意に高く、その性別とADHDとの組み合わせがビデオゲームの過度な使用に影響していた。 すなわち、ADHD症状とゲーム依存への関係性が改め

          ファイザー製ワクチンは2回打つ必要があるのか

          Eric J Haas, et al. Impact and effectiveness of mRNA BNT162b2 vaccine against SARS-CoV-2 infections and COVID-19 cases, hospitalisations, and deaths following a nationwide vaccination campaign in Israel: an observational study using nationa

          ファイザー製ワクチンは2回打つ必要があるのか

          COVID-19の感染リスク

          こういう生活の基本に注目した論文は面白いし、臨床的にも有用であると思っています。 https://thorax.bmj.com/content/early/2021/03/30/thoraxjnl-2020-216651 この論文は、英国のバイオバンクに2006年から2010年に登録された50万2,540例(登録時40~69歳)のデータを用いて、交代勤務がCOVID-19に及ぼす影響を検討した。検討の結果、検査を受けた6,442例のうち498例が陽性だった。陽性者のうち9

          変異株の猛威に

          英国で南アフリカで確認された変異株と南アフリカで確認された変異株がカタールで優勢の状況の中で、ファイザー製ワクチンは感染および重症化に対して有効であったとまとめている。ただし、とくに南アフリカで確認された変異株に対する有効率は同ワクチンの臨床試験やイスラエル・米国からの実社会での報告よりも約20%低かったという。 https://www.nejm.org/doi/10.1056/NEJMc2104974 これから考えるに、やはりワクチン接種は進めていくべきでしょう。しかし

          ジスキネジア新治療法の発見

          これは面白い研究であり、今ある薬剤を使ったとても臨床的な研究かと思います。 https://research-er.jp/articles/view/98491 長期に抗精神病薬を飲んでジスキネジアに悩まれている方はたくさんいるのではないでしょか。その副作用と薬剤の継続に悩まれている臨床医もいるでしょう。 この知見が臨床の現場に光を差しえてくれればと思うところです。 こういったビックデータの使い方は素晴らしいと思います。みんなの力を合わせてビックデータを使っっていけば

          料理研究家の半生を知って

          リュウジのレシピは愛用しております。不器用な私でも作れるレシピで本当に美味しいです。確かに味はニンニクと味の素がベースですが、最高です。 これまでにも何度かレシピと私の感想を書いてきました。 いつ作っても美味しいです。今日はティラミスを作ってみましので、冷蔵庫で寝かして明日食べるのが楽しみです。 これ、作るときに自分の家の容器を確認してから準備ですね。うちには長細いお椀しかなく、クッキーを三層にして作りました(最後にコーヒー塗るのを忘れましたが・・) さらに、トマト煮

          児童精神科医という肩書きは?

          児童精神科の紹介先を探すことがあるが、知らない土地だとネットで調べてみることがある。ところが、この業界に20年ほどいるが全く見聞きしたことのない先生が出てくることが多い。もちろん、私の不学の至るゆえもあるだろう。 しかしながら、小児科領域の先生方となると畑が違いすぎて全く知らないのが現状です。保護者の皆さんからは児童精神科医で一括りにされたりしますが、小児科の専門医たちは全く面識がないことが多いのです。 これまでも何度か、小児科と精神科の違いやその資格について書いてきまし

          変異株が身近に

          もう対岸の火事ではなくなってきました。いよいよ外来でもコロナ感染になった子どもと家族の話多く聞くようになってきました。変異株が猛威をふるい、子どもへの感染が増えてきている印象です。 いつもはマスコミ否定的に見ることを心がけていますが、この記事はまさにその通りだなと思います。正しい情報を正しく伝える。そんな報道機関であった欲しいです。 変異株は子どもにも罹患します。その多くは無症状のようですので、感染させているという自覚なく、広がっていくのでしょう。インフルエンザなら四十度

          児童精神科に愛情論は不要

          この記事は色々と気になりますが、特に最後に書いてある一段落がとても気になります。 もちろん自傷行為がエスカレートしたり長期間続くようであれば、一度専門医に相談することをおすすめします。しかし、それまで様子を見ていく上では、子どもをたくさん愛してあげることが一番の対処法です。決して「これだけ愛しているから大丈夫」「ここまでしてあげてる」とは思わずに子どもをたくさん抱きしめ、たくさん愛してあげましょう。 私が児童精神科医をする上で師匠に言われたことの一つに、「愛を語るな」とい

          子どもの医療への影響

          コロナは様々な分野、年代、環境、状況に影響を与えています。医療業界では小児科領域には多大な影響を与えていると言えるでしょう。 児童精神科も子どもを相手にした仕事です。その影響を受けると言えます。 様々なニュースがある中で、新型コロナウイルス感染症対策の中枢と言える国立国際医療研究センターからの報告があります。 やはり児童精神科の外来受診者数は減少しているようです。その一方で摂食障害が急増していると書かれています。結果として医療経済的にも厳しい現状となっているようです。