ナマちゃん
ああ、ナマちゃん。
奇妙でチャーミングなフォルムの
アリクイのアリちゃんは
動く姿を見せてくれたよ。
放屁芸術家で肛門哲学者の
スカンクのスカちゃんは
忙しない姿を見せてくれたよ。
放屁もおみまいされずに済んだよ。
ああ、でもナマちゃん。
キミはいつだってそうだよ。
キミの姿が目に入る時は
ちょっとした緊張感さえあるよ。
キミはやっぱり寝ていたね。
顔も見えなかったよ。
遠くから見たら
ただの毛むくじゃらじゃないか。
触るなと言われているのに
シビれを切らした若造が
指でキミを突っついていたね。
アレは良くないよな。
でもキミは微動だにしなかった。
キミは夢の世界にいた。
超現実世界の方が楽しいんだね。
悔しいからさ。
帰り際にキミをもう一度見に行ったのさ。
今度は起きてるかなと思って。
毎日会えないしね。
それでもキミは寝ていたよ。
筋金入りのネボスケさ。
毎日20時間寝るから
起きている時に会うのは奇跡だよな。
実はさ。
本当のことを言うとさ。
キミはフタユビナマケモノだけどさ
ミユビナマケモノの方がスキなんだよな。
この国にはミユビナマケモノは
いないんだってね。
全部フタユビナマケモノらしいね。
ミユビナマケモノには
どこに行ったら会えるんだい?
もしかしてそう思ってるから
不貞腐れているのかい?
キミは超現実世界で
オイラのチモキを見透かしているんだな?
もうちょっとフタユビナマケモノのことも
スキになってみるよ!
キミは肛門哲学者だよ。
スカンクよりも放屁芸術家だよ。
オイラはキミに憧れている。
心底オマラカウィーしてる。
次こそはほんの少しでいいから
その顔をマジマジと見せてくれよな!