「コロナ」のなかでがんと闘うビジネスマンの本音を知る
子供が朝になったら学校や保育園に行き、ビジネスマンが会社に行き、近所の年よりが集って他愛のない話をする普通の日々。この普通の日々こそ宝で、普通が一番難しいと心から思います。この普通の日々を取り戻すには少し時間がかかりそうです。どんなにテクノロジーが進んでも感染症や悪性腫瘍がなくならないのは仕方がないこともしれません。
通院でたまたま医師と患者の病状説明と同時にがん告知のやりとりが聞こえてくることもあります。医師からのがん告知のはずなのに彼らは医師に必ずこう尋ねます。「先生、今日は通院の立ち寄りと会社に言ってきました。今日会社に行っていいですか?」これはワーカーホリックでもなんでもない普通のビジネスマンのコトバです。
そして次はこう尋ねます。「先生、仕事はいつまで続けられますか?」と。毎日満員電車に揺られ、会議のための会議資料を作ったり、理不尽な人事や評価に泣いてきたビジネスマンでさえ、闘病のために仕事を休むのは不本意。かつ周囲に対して申し訳ないと思ってしまうのです。そして入院したときに必ずこう話してくれます。「会社の自分の席で普通に仕事をしていた日々が一番幸せだった。早くその日に戻りたい」と。
このコロナ禍のなかでも、たくさんのがん患者の皆さんが闘病していること、少しでも良くなるように何か新しい情報を探している家族がいることを知ってほしいと思います。そしてそれを助けるために数多くの医療従事者の方や介護関係者、リハビリのスタッフが働いていることを。
がん患者にとり少しだけよかったことは、リモートワークだと気兼ねなく家で休めることです。満員電車のストレスもなく、通院のために有給をとらなくてもいいし、隣の席の人に気兼ねして元気な顔をしていなくてもいいのです。今闘病されている全ての方が上手に病気と付き合っていけるように願わずにはおられません。またコロナのためにがん等の病気の治療や発見の機会が遅れないようにと願わずにはおられません。
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