消費者不在なクリエイティブとは
テレビCMのクリエティブで「宣伝部」が舞台だったり「CMの制作会議」が取り上げられているものがいつの時代にも必ずあります。広告代理店とメーカーの宣伝担当者が盛り上がって決まった内輪受け感が否めません。広告代理店のプレゼン風景をCMに使うって社内の開発スタッフ、工場の方や営業マンってどう思うのかな?と疑問に感じたりします。
一方社内の人がCMに出るのは昔から嫌いじゃないです。一番好きなのはヨドコウ物置。「100人乗っても大丈夫」。子どものときから変わらず、丈夫さを一番端的に表現しています。乗っているのは全て社員だそうです。社員が消費者にダイレクトにブランドの良さを伝えるのは大賛成です。
「会社としてこれが言いたい」と社長やトップがあえて前面に出て口語で語るのも伝わりやすいです。例えば高須クリニック、ジャパネット、イモトのワイハイなどはとてもいいクリエティブだと思います。
マス広告のクリエティブは社内と社外も、特に社員の家族が見ても、違和感なく長く見ていてもわかりやすくて飽きなくて、そしてイライラしないことだと思っています。以前コピーライター時代に気を付けていたのは性別・年齢・背景など誰が書いたか作ったのかがわからないことだと思っています。どう感じるのは受け手次第。ある一定のクオリティとブランド感を大切にしながらも伝えるべきをしっかりと伝えるのがプロとしてやるべきと思っています。
一方でネットの動画広告は一定の方に向けてマニアックに作りひっかけるのが主流です。実際私はパンめぐというパンオタクサイトを運営していますが、一般の方には小麦の種類なんてわからないのですが、パン好きなら誰もが知っていることだからです。一般の方が知らない深いことをあえて言うのが面白いと思っています。これもひっかけるです。
動画広告はテレビのマス広告とYouTubeなどのターゲット広告によってクリエティブを変えないと伝わらない時代です。マス広告で各社同じようなクリエティブをやってしまうのは調査の弊害かもしれません。調査に参加される積極的な方ではないモノ言わぬ消費者を見ながらクリエティブを考える時代になりました。
今こそ若い世代の若いパワーが広告や広報のプランナーには必要です。面白いことを実現したい、体感したい方、是非参加してください。